
多古町、イオン株式会社、公益財団法人イオンワンパーセントクラブ、
公益財団法人イオン環境財団が地域連携協定を締結
千葉県香取郡多古町とイオンは、地域の里山の再生と地域価値の創出を一体で進める「多古町×イオン里山プロジェクト」を発足し、多古町、イオン株式会社、公益財団法人イオンワンパーセントクラブ、公益財団法人イオン環境財団の4者で地域連携協定を4月2日に締結した。今後、同プロジェクトは、自然と人の関係を地域の中で再構築し、里山を「守る」から「地域の価値創出につながる資源」へと再定義し、自然・経済・コミュニティが循環する仕組みの構築を目指していく。

同プロジェクトの記者発表会には多古町 町長 平山富子氏、イオン株式会社 執行役 人事・サステナビリティ担当 岡田尚也氏、公益財団法人イオンワンパーセントクラブ 理事長 渡邉廣之氏、公益財団法人イオン環境財団 専務理事 山本百合子氏、イオン株式会社 責任者 サステナビリティ担当 兼 環境社会貢献部長 渡邉祐子氏が出席。町長の平山富子氏は田園と森林が織りなす豊かな自然環境と人々の暮らしに息づく多古町の里山環境にふれながら、農業の担い手不足や森林の荒廃が進み、農業や森林の適切な管理維持が困難な状況にあることを伝えた。そして、こういった課題を共有し、熱意を持って検討する中で協定締結という形に着地したことを報告。イオンの持つ強力な発信力やネットワークを生かし、住民とともに地域が望む新たな里山モデルを目指したいと話した。

続いてイオン株式会社 執行役 人事・サステナビリティ担当 岡田尚也氏が登壇。イオンが35年間、店舗の敷地内を中心とした植樹や、環境破壊、自然災害などで失われた森を再生する「ふるさとの森づくり」に取り組んできたことを紹介し、こうした取り組みを地域とともに広げていくことの重要性を訴えた。そして、4年間駐在していた東南アジア、マレーシアから年に複数回、成田空港を使用して日本に帰ってくる機会がある中で、飛行機から見える自然あふれる景観を見るたびに日本の持つ魅力が素晴らしい資産であると感じたことを振り返りながら、自然の豊かさというのは、それを支える人の営みがあってこそ成り立っていることを強調。自然を守ることが地域にとっての価値になり、それが人や仕事の流れにも繋がっていく形を少しずつ作り、今回の取り組みが、同じような課題を抱える他の地域にも広がっていくことを期待していると話した。
自然を「つくる」、恵みを「つかう」、
そして、人と地域を「つなぐ」プロジェクト
続いて多古町 産業経済課長の今井幸司氏より、多古町の概要紹介が行われた後にイオン株式会社 責任者 サステナビリティ担当 兼 環境社会貢献部長の渡邉祐子氏より里山プロジェクトの概要について説明。「イオンの里山プロジェクト」が目指す里山の姿として自然を「つくる」、恵みを「つかう」、そして、人と地域を「つなぐ」という3つを軸に、3つの希望を満たす場所であることを紹介。一つ目の「つくる」は地域の安全を守る希望。単に自然を美しく保つことではなく、多種多様な生き物が息づく生態系を回復させること。それにより気候変動に負けない「天然のインフラ」をつくり、自然と共生を図ることで地域全体の災害レジリエンスを高め、これが全ての活動の揺るぎない基盤となると述べた。
2つ目の「つかう」では環境と経済が自走。回復させた里山の恵みを、地域の生産者の皆様とともに新たな価値へと変えて活用し、確かななりわいがあることで、経済と環境の循環が生み出されていくと話した。
3つ目の「つながる」は未来を支える希望。里山の価値を街へと届け、次世代へと思いや店舗を通じた交流により人々と里山をつなげ、大きなコミュニティの輪となり、誰もが里山の恵みを等しく享受できる地域社会モデルを形成していきたいと語った。
そして「つくる」「つかう」「つながる」という3つの活動の循環のハブとして、店舗を利用。「「まち」から「やま」へ、「やま」から「まち」へ」という循環を生み出し、人々が自然と共生しながら豊かさを享受していく。自然の恵みと人の暮らしが循環し、明るい未来を育む。その地域循環モデルの中心において、イオンの店舗が役割を発揮していくと訴えた。


次に渡邉氏は、このプロジェクトにおいてそれらがイオンに可能な理由として長年続けてきた活動の裏付けがあることを説明。事業会社としてのイオンは、地域において毎日の暮らしに必要なものを届け、また地域のインフラとして店舗を機能させ、環境・社会に配慮した商品の調達や店舗での資源循環など、本業を通じた環境への配慮と地域密着を進めてきたこと。公益財団法人イオンワンパーセントクラブは、イオングループ各社の営業利益の1%を原資に、子どもたちの環境教育、イオン・チアーズクラブや災害復興支援、伝統文化の継承など、地域の「人と心」を支える活動を長年続けてきたことを紹介。昨年度は町の伝統行事「多古祇園祭」や60年に一度の「神幸祭」への助成を通じて、地域の歴史風土を守るなどすでに多古町のとも深い絆を構築してきたことを伝えた。公益財団法人イオン環境財団は、1990年から続く植樹活動をはじめ、環境活動への助成や共同研究など、グローバルな知見に基づいた環境自然再生の専門性を有し、2013年から開始した植樹活動は、現在「綾町イオンの森」として累計2万本を超える規模に成長。単なる植樹にとどまらず、伝統工芸のワークショップや里山の利活用など活動を多角化させてきた結果、2020年9月に環境省の「自然共生サイト」に登録されるという公的な評価も獲得し、この10年以上の経験とノウハウを、ここ多古町へ注ぎ込むと訴えた。
そして、多古町・高津原が持つ素晴らしい財産、そのポテンシャルとイオン、イオン環境財団、イオンワンパーセントクラブが持つノウハウや強みを掛け合わせることで、多古町の魅力がさらに発揮され、活気ある街づくりに貢献できると力説した。
自然を回復しながら恵みをいただく地域循環を
周辺地域へ、そして日本全国へ
さらに渡邉氏は、多古町で行われる具体的なプロジェクトについて説明。プロジェクトの舞台となる高津原区で全3回のワークショップを実施し、多くのアイデアが寄せられたことを報告。今後、地域の皆様のアイデアを実現していくために具体的な活動計画をつくっていくと話した。また、本日の発表を皮切りに、「高津原 里山再生活用協議会(仮称)」を立ち上げ、事務局の元に「なりわい検討」「環境保全」「教育・育成」、3つの分科会を設立予定。月単位で具体的な実行プランを策定し、今年度中に、里山ワークショップで出た優先度の高いアクションプランから着手し、多古町の皆様と共に目指す里山の実現をしていきたいと述べた。
最後に、「つくる」「つかう」「つながる」という3つの活動が一体となることで、自然を消費するだけではなく、回復しながら恵みをいただく地域循環を周辺地域へ、そして日本全国へ普及させていくことが多古町から世界へと発信していく次世代に向けた未来の希望となると訴えた。






