従来の太陽電池の問題点は?
現在主流の太陽電池はシリコン系太陽電池と呼ばれ、厚さが30~40mmのものがほとんど。重さも1枚あたり20kg前後のものが主流となる。そのため、数多く設置する場合は、屋根やベースに強度が求められる。また従来の電源に比べて製造コストが高くなっていた。
ペロブスカイト太陽電池って何?
光を電気に変換する結晶構造を持つペロブスカイトを材料にして製造された太陽電池。薄くて、軽く、柔軟であるなど、シリコン系太陽電池にはない特性を持ち、材料をフィルムなどに塗布・印刷して作ることができる。2009年にこの画期的な太陽電池を最初に提案したのが桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授で、世界的な注目を集めた。
従来の太陽電池とどうちがうか
シリコン系太陽電池が設置困難なビルの壁面や耐荷重が低い屋根にも設置が可能になる。またペロブスカイトを用いた太陽電池は、リジッド基板とリムーバー基板の両方を用いて製造することができるため、安価であることに加えて、より軽量で柔軟性を持たせられる。
どのような効果が期待できるか。
平地面積が少なく、建物の屋上も設置面積が限られる日本は、建物の窓や壁面等を利用した発電が不可欠となり、開発が待たれるガラス建材一体型であるペロブスカイト太陽電池は、「発電するガラス」建材として期待されている。
ガラス建材一体型であるペロブスカイト太陽電池独自のインクジェット塗布製法と、レーザー加工技術を組みあわせることで、サイズ、透過度、デザインなどの自由度を高め、カスタマイズにも対応可能となる。