6月15日(土)に学校法人東洋学園と一般社団法人グラミン日本、さらにauフィナンシャルグループのauフィナンシャルホールディングス株式会社とauじぶん銀行株式会社がコラボレーションし、同大学の本郷キャンパス内にてシングルマザー親子向けのイベントを開催した。
このイベントが開催される背景には、東洋学園大学の学生たちによる提案がある。昨年から同大学現代経営学部「新事業開発ゼミ」とグラミン日本は、「テクノロジーを活用して貧困層を救うサステナブルなビジネスアイデアを考える」をテーマとした産学連携プロジェクトを開始していた。その中で同ゼミ学生はこのプロジェクトを通じ、日本における貧困の現状と生活困窮者のニーズの検討、情報収集や具体的なビジネスアイデアの策定に取り組んできた。それらの成果を学生たちがプレゼンテーションするプロジェクト最終提案発表会では、グラミン日本やauフィナンシャルホールディングス他複数企業が参加。ゼミ学生による最終提案の一つを実践することが決定した。それが今回のシングルマザー親子イベントだった。
イベントの開会式ではそういった経緯を「新事業開発ゼミ」を指導した准教授の石黒順子氏が紹介。4年生から3年生に受け継がれ、本日のイベント開催に至ったと話した。続いて挨拶に立ったグラミン日本理事の髙橋歌織氏は、シングルマザーとその子どもたちの楽しい集いの場となった同イベントに対して期待する想いを語った。
東洋学園大学の学生は、子どもたちを楽しませるアトラクションとしてクイズ形式の自己紹介や宝探し、Yes/Noゲームなどを企画・実施した。その間、母親はグラミン日本が開催するシングルマザー向けの金融ワークショップを受講。auフィナンシャルホールディングス協力のもと、auじぶん銀行の社員が講師を務め、人生100年時代を生きる上で欠かせない資産運用についてわかりやすく説明し、参加した母親の87.5%が「満足できた」と回答。参加者から「今回の内容が普段の生活に役に立つと思う」などのコメントがあった。
インタビューに応じてくれた石黒氏は、同大学の実践を重視する教育を強調。提案からイベント実施という経験を重ね、今後もPDCAをまわすことで新事業開発のクオリティを高めていきたいと抱負を語った。
昨年度の授業で、同イベントの企画案をグラミン日本に提案した現代経営学部の4年生宮田拓未さんは「子どもといっしょの時間がなかなかとれないシングルマザーの実情を知り、親子がふれあえる楽しい場を提供したいとの想いで発案しました」と話した。