ニトリ(本社:札幌市北区。似鳥昭雄会長兼社長)は2024年2月6日、急拡大するEC市場への本格参入を図るため、フランス発のユニコーン企業のMirakl(ミラクル)の日本法人(本社:港区、佐藤恭平社長)をシステム協力企業に選定した。
「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」を理念に掲げるニトリは、SDGsやサステナビリティ、DXの推進に熱心な企業グループとして名高い。
この理念に近づくため、中期ビジョンでは「2032年、3000店舗 3兆円」の目標を掲げ、社会における共有価値の創造と相互繫栄に注力している最中だ。一方、EC市場は近年加速度的に拡大しており、この領域への本格参入は最優先項目だった。
しかし、ECのプラットフォームと言えば、これまで「大手ECモール」と「自社ECサイト」 の2択しかなく、同分野での急拡大をめざす同社としては、どちらも満足のいくものではなかった。
そこで、世界的に有名なIT企業Miraklの日本法人に協力を求め、”第3の選択肢”とも言うべき「マーケットプレイス」の手法でニトリのECプラットフォームの構築に挑む。
「マーケットプレイス」とは、「売り手」と「買い手」をつなげるマッチング技術を応用するもので、自前のECサイトに販売者(セラー)を迎えて独自の「仮想販売空間」を開設するもの。
自由度を最大限に確保しつつ、集客力を強化できる点がポイントで、今回Miraklは、最も得意な業界初かつ最先端のエンタープライズ・マーケットプレイス向構築向けSaaSプラットフォームを投入。
これによる効率化で、ニトリは幅広い品揃えを容易に行うことが可能となり、加えて在庫・物流コストの大幅圧縮と収益拡大も見込めるという。もちろん、「ムダ」の削減も期待できるので、SDGsやサステナビリティへの貢献度も大きいようだ。
ちなみにMiraklは2012年にフランスで創立、仏政府認定の「フレンチテックNext40」に選ばれたほどの、超優良ユニコーン企業だ。すでに世界40カ国超、300社以上が同社のマーケットプレイス・サービスを利用、アメリカの老舗百貨店メイシーズや、アメリカの大型家電量販店ベスト・バイのカナダ法人も採用する。なお、同社日本法人は仏MiraklとJapan cloudとの合弁企業。
Miraklの優秀なIT技術を武器に、ニトリはEC化率を2022年の約12%からできるだけ早く20%までアップし、「暮らしの総合マーケット」を目指す意気込みだ。
Nitori Expands EC Business Rapidly by Opening Marketplace with Mirakl Technology
Nitori Co.,LTD selected Mirakl, a French unicorn company, as its system cooperation partner on February 6, 2024, to make a full-scale entry into the rapidly expanding EC market.
With a vision to “provide richness in living to people worldwide,” Nitori aims to achieve its mid-term vision of “3000 stores, 3 trillion yen” by 2032, emphasizing the creation of shared value in society.
Mirakl’s marketplace approach will enable Nitori to expand its EC platform significantly, enhancing its product range, reducing inventory and logistics costs, and contributing to SDGs and sustainability.
Mirakl, founded in France in 2012 and recognized by the French government as a “FrenchTech Next40” company, brings its advanced IT technology to support Nitori’s ambition to increase its EC conversion rate from about 12% in 2022 to 20% as quickly as possible, aiming to become a comprehensive living market.