株式会社イビコン、株式会社神戸製鋼所、株式会社神鋼環境ソリューションの3社は、鉄鋼スラグを活用した環境配慮型コンクリートを共同でコンクリート二次製品へ適用した。本製品は、神戸市がフラワーロードで実施している歩道拡張工事において、イビコンの「自在R連続基礎ブロック」として道路基礎に初めて採用された。

【環境配慮型ブロック設置状況】(2026年6月22日現在)

骨材不足への対応と副産物である鉄鋼スラグの有効活用

一般的なコンクリートは、砂や砂利、セメント、水を主原料として製造されているが、近年は世界的に良質な砂や砂利の不足が課題となっている。日本国内においても地域によっては材料不足が施工現場に影響を及ぼすケースが報告されており、持続可能な材料への代替が求められていた。

そこで着目されたのが、鉄鋼製品の製造工程で発生する副産物の鉄鋼スラグである。鉄鋼スラグは従来から土木や建築分野で幅広く活用されており、現在ではほぼ全量が有効活用されている。環境負荷低減に資する材料として、グリーン購入法に基づく公共工事の調達品目にも指定されている素材である。

高速炭酸化技術でCO2を固定化し製造時の排出量を約70%削減

今回の環境配慮型コンクリートでは、CO2を固定する素材として製鋼スラグを選定した。製鋼スラグを微粉化したうえで、神鋼環境ソリューションの高速炭酸化技術「Carbonel®」を用いて炭酸化処理を行い、炭酸化骨材を製造している。この炭酸化骨材を高炉スラグ微粉末に加え、コンクリート製品へとアップサイクルした。

従来は製鋼スラグの適用が難しいとされていた鉄筋入りコンクリート製品への適用を実現した点が特徴である。これにより、従来の一般的なコンクリート製品と比較して製造時のCO2排出量を約70%削減した。これは、同種のコンクリート二次製品の中でも高い削減率となる。

量産化に向けたフレッシュ性状と耐久性能の検証

コンクリート二次製品メーカーであるイビコンは、神鋼環境ソリューションと共同開発した環境配慮型コンクリート材料を量産可能な二次製品へ落とし込むため、段階的な適用試験を実施した。

まず既存技術への適用として、イビコンがすでに取り組んでいた高炉スラグ微粉末を55%置換した低炭素型コンクリートに炭酸化骨材を適用し、試験練りを実施した。その結果、ワーカビリティや流動性、材料分離抵抗性といったコンクリート二次製品に求められるフレッシュ性状が、社内規定およびJIS規定値を満たすことを確認した。

さらに、さらなるCO2排出量低減を目指し、粗骨材と細骨材を炭酸化骨材に置換したうえで高炉スラグ微粉末を70%置換したコンクリートの性能確認試験を実施した。炭酸化骨材と高炉スラグ微粉末を最大量複合で適用した場合においても、フレッシュ性状に加え、長さ(膨張)変化や凍結融解耐久性、中性化といった硬化後の耐久性能が社内規定およびJIS規定値を満たすことを確認した。

現場のニーズに応える製品化と持続可能なインフラ整備への展開

これら一連の検証を経て、本材料を用いた「自在R連続基礎ブロック」の実用化を果たし、今回の歩道拡張工事における道路基礎への初採用に至った。 今回は道路基礎ブロックへの適用となったが、今後は他用途への展開も視野に技術検討を進めていく。

イビコンはコンクリート二次製品メーカーとして、環境配慮型製品の開発を通じてCO2排出削減と資源循環を推進しており、今後も現場で使いやすい製品形状へ技術を落とし込み、持続可能なインフラ整備と街づくりに貢献していく方針だ。