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特集「気候危機と向き合う」の冒頭を飾るのは、気候非常事態宣言の啓発活動の最前線を走り続ける東京大学名誉教授の山本良一氏と東京大学未来ビジョンセンター客員研究員であり、Vaneの「世界を知る」執筆者の古屋力氏の対談。2人の地球環境学者が「気候危機を直視する」というテーマで世界が直面している現状とこれから私たちが取り組むべき課題について語り合った。

気候危機への対応が逆行し、
脱炭素を押し返す世界
古屋: 世界全体が危機的状況にある中で、山本先生が常におっしゃるように、非常事態であることは変わらず、むしろ悪化し、深刻さを極めています。私が常々残念に思うのは、この危機感が人々に「自分事」として内面化されていないことです。
私は現在、東京大学ビジョン研究センターでIPCCの執筆者や最先端の技術者、大学教授らと最新の論文を読み、議論を重ねています。その中で大きなテーマとなるのが「情報の非対称性」、つまり必要な情報を持つべき人々が十分な情報を得られていない。この情報ギャップが政治的プロセスなどで不一致を生み、気候変動問題への大きな足枷になっています。これは気候変動だけでなく、今多くの人が心を痛めている戦争の問題にも通底しているのではないかと感じています。
山本先生が日頃おっしゃる「人類の生存の持続可能性」が深刻な脅威にさらされていることは明らかです。私が本郷で研究している仲間や、極端気象アトリビューション研究者らも、科学的エビデンスとして確立した事実だと指摘しています。しかし、この大切な認識が人類全体で共有されていません。
1.5度目標のオーバーシュートという厳しい現実、グリーンランド氷床の融解、アマゾン熱帯雨林の消失など、世界各地でティッピングポイントが顕在化しています。それにもかかわらず、多くの人にとっては「対岸の火事」で、「自分事」化されていません。
一方で、食料、エネルギー、海面上昇、生態系の変化などは、すでに健康被害を含む直接的なリスクとして迫っています。この事態は非常に深刻であり、ぜひ先生のご指導をいただきたいと考えています。
私の好きなミュージシャンのジョン・レノンは「僕らの社会は、ばかげた目的のために、呆れた人たちによって動かされている」との言葉を残しています。まさに今、政治が世界を混乱させ、気候危機への対応も逆行し、脱炭素の動きを押し返すような状況が進んでいます。戦争も同様です。
このような深刻な状況について、先生はどのように問題の本質を捉えておられるのか、お考えを伺いたいと思います。

山本:気候変動や環境問題は、すでに長い歴史があります。私自身も40年近くこの問題に関わってきました。そこで先ほど古屋先生からお話のあった「気候非常事態宣言運動」について、この5〜6年の動きを振り返りたいと思います。
まず、2015年にパリ協定が締結されました。その後、世界各地で森林火災などの環境異変が相次ぎました。実は「気候の非常事態を宣言し、社会を大規模に動員しなければ問題は解決できない」という考え方は20年ほど前から指摘されてきたものです。それはニューディール政策に匹敵する規模の社会的動員が必要だという考えですね。
この「気候非常事態宣言と社会動員」を求める運動が、オーストラリアやアメリカで始まり、2016〜18年に広がりました。特に2018年、当時15歳だったグレタ・トゥーンベリさんがスウェーデン国会前で座り込み、総選挙に影響を与えようとした行動が世界的な広がりを生みました。そして半年ほどで世界中150万人規模のデモが起き、大人たちも「このままではいけない」と動き始め、自治体による気候非常事態宣言が広がりました。
しかし、残念ながら、新型コロナウイルスの蔓延でこの動きは中断されました。同時期の2017年には第一次トランプ政権が発足し、パリ協定からの離脱を表明しました。これは大きな衝撃でした。
ここで紹介したい動きが二つあります。一つ目はアメリカ国内の動きです。2017年のパリ協定離脱表明に強い衝撃を受けたのが、オレゴン州立大学の生態学者ウィリアム・J・リップル教授です。彼はイエローストーンにオオカミを再導入し、植生が改善したことで知られる温厚な研究者ですが、この出来事をきっかけに行動を変えました。
リップル教授は、1992年に発表されて以来放置されていた「世界の科学者の警告」を2017年に復活させ、第2号を発表しました。さらに2019年には、世界の科学者による「気候非常事態宣言」の論文を発表し、約1万5000人の科学者が署名しました。その後、2万7000人規模の科学者ネットワーク「世界科学者アライアンス」を組織し、毎年のように気候非常事態に関する論文を発表しています。さらに個別分野ごとの警告論文も40本以上出されており、非常に大きな動きだと感じています。
二つ目は、世界の自治体による気候非常事態宣言です。現在おそらく2500ほどの自治体が宣言し、カーボンニュートラルの目標年を決めています。特に英国は熱心で、600ほどの自治体が宣言し、2030年を目標年に掲げています。しかし昨年(2025年)5月の地方選挙で、温暖化対策に反対し「費用がかかるからやめよう」と主張する政党、リフォームUKが約10の地方議会で多数派となり、せっかく可決された気候非常事態宣言が撤回される事態が起きました。
古屋:それは非常に残念な出来事ですね。

1000名以上の科学者が連名で
「科学に耳を傾けよ」という運動が始動
山本:さらに2030年カーボンニュートラル目標まで撤回することになったのです。これはイギリスの科学者にとって大きな衝撃です。その結果、1000名以上の科学者が連名で「科学に耳を傾けよ」という運動を起こしました。それが昨年11月27日の「国家緊急ブリーフィング(ナショナル・エマージェンシー・ブリーフィング)」です。
ロンドンのウェストミンスター国会議事堂前にあるセントラルホールを借り切り、招待制で社会の指導層を集めました。これを仕掛けたのが、イギリスのタイルメーカーであるオールドリッジ兄弟です。当日は10名の科学者、150名の国会議員、その他の指導層を合わせて約1200名が集まり、ブリーフィングが行われました。その内容は45分のビデオにまとめられ、今月からイギリス全土で上映が始まります。非常に重要な動きだと思います。
問題の根本には、気候の非常事態が「21世紀末」や「中頃」の話だと思われていた時期には賛同が得られたものの、それが目前の現実として迫ってくると・・・。
古屋:反動が起きるわけですね。
山本:そうです。第二次トランプ政権では、科学者の解雇、研究所の閉鎖、大学への圧力など、科学を軽視する動きが続いています。さらに、第一次政権発足以来、気候変動関連の政策を300件以上縮小・撤回し、IPCCやUNFCCCからも離脱しました。
ここでは科学を否定するだけでなく、科学的成果をねじ曲げることも行われています。例えば、温暖化懐疑論者を集めて別の報告書を作成し、昨年7月に発表しました。これに対し、アメリカのアカデミーが反論の報告書を作成し、気象学会も「エネルギー省の報告書は誤りだらけ」と声明を出しました。日本で例えるなら、経済産業省が誤った報告書を出し、それを日本学術会議が否定するようなものです。このように、科学への反対だけでなく、データの改ざんや消去まで起きているのが現状です。

今、求められる気候と自然に関する
国家緊急ブリーフィング
山本:私が強調したいのは二つあります。一つは、リップルらが呼びかける「世界の科学者の警告」が大きな運動になってほしいということ。もう一つは、イギリスで始まった「気候と自然に関する国家緊急ブリーフィング」のような動きが重要だということです。オールドリッジ兄弟は昨年11月27日の国家緊急ブリーフィングを「Dデー」と呼んでいます。
古屋:なるほど、「Dデー」とは、核心を的確に捉えた表現ですね。
山本:ご存知のとおり、「Dデー」はノルマンディー上陸作戦の日ですね。私も日本で同様の取り組みが必要だと考えています。幸い、ゼリ・ジャパンというNGOが皆さんの賛同を得て、今年9月30日の午後に日経ホールで開催する予定です。ノーベル賞受賞者の梶田先生をはじめ、錚々たるメンバーが協力してくださっています。来月にはプログラムも完成するでしょう。
科学や温暖化、環境問題を否定する国や人間がいては、対応は進みません。私は『温暖化地獄』という本を書きましたが、ドイツのハンス・シェルンフーバー教授は著書『ゼルプスト・フェアブレンヌング(焼身自殺)』というタイトルの著作で「人類は自ら焼身自殺をしている」と述べて、化石燃料によって毎日1億トンのCO₂を排出している現状を指摘しています。
また彼は、現在の安全保障戦略を「相互確証破壊(MAD)」と呼び、この概念を気候変動対策に応用した考え方となる「相互確証脱炭素化(Mutually Assured Decarbonization)」が必要だと指摘しています。
今だけ・自分だけ・自国だけという
短視眼的な世界観が蔓延
古屋:確かに興味深い重要な指摘ですね。我々が脱炭素化を進めても、アメリカがCO₂を出し続ければ、結局は双方が破滅してしまう。
先ほどのお話で、私は国民一人ひとりが事態の深刻さを理解していないことが最大の問題だと感じました。2050年カーボンニュートラル、循環経済、ネイチャー・ポジティブと皆が口にしますが、本当に意味を理解しているのか疑問です。
山本: まずカーボンニュートラルとは、年間381億トン排出しているCO₂を実質ゼロにすることであり、さらに、これまで大気中に蓄積してきた分もあります。産業革命以前は273ppmだったのが、現在は427ppmまで上昇しています。一方、プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)では気候変動の安全圏を350ppmとしています。つまり、排出量をゼロにしたうえで、427ppmから350ppmまで下げなければならない。大気中のCO₂を約6000億トン除去する必要があるということです。所謂ネガティブエミッションですね。
現在、ネガティブエミッションの明確な目標を掲げているのはデンマークだけで、2050年に110%削減を掲げています。こうした現実を日本国民がどれほど理解しているかが問われています。サーキュラーエコノミーについても、資源をすべてリサイクルするという誤解がありますが、熱力学的に不可能です。実際、1日に3億トンの資源を使いながら、リサイクル率はCircularity Gap Report 2025に引用されている値では6.9%です。循環経済とは、資源を長持ちさせ、廃棄を最小限にする経済のことです。そのためには、シンプルライフやサステナブルなライフスタイルが不可欠です。私が最も深刻に感じているのは、各国が「自国ファースト」に陥り、今だけ・自分だけ・自国だけという短視眼的な世界観で暴走しつつあることです。

地球ファーストの意識共有こそが、
自らの幸福を持続的に守る最短の道
山本:本来、私たちは「地球市民」であり、最優先すべきは「地球ファースト」です。地球ファーストが成立してこそ、アメリカファーストもジャパンファーストも成り立つはずです。地球ファーストの意識共有こそが、最終的に自らの幸福を持続的に守る最短の道だと思います。
古屋:しかし現実には、世界で最も裕福な上位0.1%が、下位50%の年間排出量を1日で上回るほどの汚染を生み出しています。豊かな人々の多くが「自分ファースト」から抜け出せず、科学的知見を踏まえた地球市民としての行動ができていない。このギャップは極めて本質的な問題です。
どれだけ富を得ても、欲望を満たしても、それが幸福に直結しないという現実があります。私は論語の「過ぎたるは及ばざるがごとし」を思い出します。東洋的な「ほどほど」という考え方が、一つのヒントになるのではないでしょうか。
本質的に重要なのは、人々の心に「地球ファースト」という思想を根づかせることだと思います。これは教育も含め、極めて重要な課題だと思います。
とはいえ、「地球ファースト」という理念は、蜃気楼のように追いかけても遠ざかる危うさも感じます。多くの人々の努力を一瞬で無にする戦争など、地球ファーストから最も遠い動きをどう抑制するのか。いわば、暴走を防ぐ安全装置であるビルトイン・スタビライザーのような知恵は存在するのでしょうか。
山本:まず、「地球ファースト」に関連する概念や考え方は、この10〜15年の間に世界で多く提案されてきました。最も有名なのは、先ほど申し上げたプラネタリー・バウンダリーです。現在9つの指標があり、そのうち7つがすでに限界を超えています。気候変動もその一つです。
さらに最近では、プラネタリー・バウンダリーと関連する概念としてグローバル・コモンズ(地球規模の共有財産)という考え方も注目されています。例えばグリーンランドの氷床は、溶ければ世界の海面が約6m上昇するとされるため、私たち全員の共有財産だというわけです。
また、人間の健康は生態系の健康と不可分であるというプラネタリー・ヘルスの考え方も広がっています。これらはすべて「地球ファースト」という思想に通じます。
問題は時間軸の捉え方です。多くの人は21世紀末、つまり100年程度しか考えていません。しかし本来は1000年、1万年というスケールで考える必要があります。なぜなら、一度大気中に放出されたCO₂の約2割は、森林・海洋・岩石などに吸収されるまで1万年以上残留すると考えられているからです。つまり、今日排出したCO₂が1万年後の子孫に影響を与えるわけです。この責任を自覚しなければなりません。
現在の世代が将来世代の生存可能性や利益を損なわないよう、環境資源や負担を公平に分かち合うという世代間正義、そして排出量が少ないにもかかわらず大きな被害を受ける国々の問題である世代内正義。この両方が重要です。しかし日本では「気候正義」がほとんど議論されていません。ここをもっと議論すべきだと思います。
幸い、昨年7月23日に国際司法裁判所が「国家には気候変動を抑制する義務があり、それを怠れば賠償責任を負う」という重要な意見を示しました。科学に耳を傾け、国際法に基づき、国際協調で問題を解決する。これこそが「地球ファースト」であり、その実現が今まさに瀬戸際に来ていると感じます。
若い世代が社会の中心になれば、
今とは違う空気が生まれる
古屋:鎌倉でお会いした時にもお話ししましたが、私は13年間大学で教員をしていました。デンマークなど海外で実施したゼミ合宿でのフィールドスタディで、現地の学生と議論する機会も多くありました。
そこで強く感じたのは、若い人たちの感性は非常に「地球市民的」だということです。国籍の垣根を越え、まず「一人の人間」として自然に向き合っている。私たちの世代とは大きく異なる感性です。
もう一点は、若い世代はあまり貪欲ではないということです。高度経済成長期の人々のように「大きな家」「立派な車」等の物質的な豊かさを求める価値観が薄く、良い意味で物欲がない。これは持続可能性の観点からも、地球市民として理想的だと感じます。
「今の若者は…」という古代からの揶揄がありますが、私はそう思いません。むしろ今の若者はなかなかどうして立派で、政治家よりよほどまともに見えることもあります。だから私は若い世代に絶望していませんし、むしろ期待しています。
山本:私はICU(国際基督教大学)で15年以上講義を続けています。毎年学生が感想を書いてくれるのですが読むと本当に感心します。若い人の感性は健全で、目が曇っていない。だからこそ世界の政治は今、混乱や不安定さがありますが、いずれ正常化すると期待しています。ゼミでも学生には「未来には希望がある」と必ず伝えています。若い世代が社会の中心になれば、今の政治とは違う空気が生まれるはずです。
例えば、未来志向の若い政治家たちも出てきています。そこにおいても誰が良い悪いではなく、若い世代の感性は総じて信頼できると感じます。期待していいと思います。
古屋:若い人の行動が、逆に大人の行動を変えていくこともあります。まさに行動変容の先導役ですね。グレタ・トゥーンベリさんのような若者は、世界中にたくさんいると思います。日本にも多くいるはずです。だからこそ、大人が彼らの芽を摘んではいけないと思います。
それに加えて一番被害を受けるのは若い世代です。個人的な話ですが、最近3人目の孫が生まれました。今オランダに住んでいて、この子のためにも頑張らなければと思います。若い世代を含め、これからどう行動変容を促していくか。以前先生から具体的なお話も伺いましたが、どのように行動変容を進めていけばよいのか、何かヒントをいただければと思います。
あらためて注目したい
「分度」と「推譲」という視点
山本: 一つは教育、もう一つは法律や制度、つまり国際法だと思います。二宮尊徳という幕末の改革者がいますが、彼の方法は非常に参考になると考えています。小田原近くに記念館もありますが、彼は勤労の価値を説き、自然を大切にしなければ米が取れなくなると教えました。 特に優れているのが「分度」と「推譲」という考え方です。分度とは分をわきまえること。
人間として稼いだ分のすべてを使わず、生活は一定の範囲にとどめる。そして残った分を他者に譲ったり、投資に回したりするのが推譲です。彼はこの勤労・分度・推譲によって農村再生に成功しました。環境や生態系を大切にする経済は、結局この考え方に行き着くと私は思います。日本人が忘れてしまっている部分でもあります。
古屋:先生がおっしゃった「分をわきまえる」、つまり身の程を知るという考え方は重要ですね。「ほどほど」という言葉にも通じます。私は経済学専攻でしたが、一般均衡理論には均衡点があります。しかし人間は欲深く、オーバーシュートして不均衡点に着地してしまう。その不均衡点は本来の均衡点よりメリットが小さい。これが人間の愚かさです。 二宮尊徳の「行き過ぎない」教えは、地球全体の人々に必要だと思います。昔は宗教が果たしていた役割かもしれませんが、今は科学者を含め、共有すべき大事なメッセージだと感じます。
高い精度の気候危機状況を、
よりスピーディに社会へ
山本: また、最近の論文では、地球のサステナブルな人口は25億人だという指摘があります。今は82億人ですから、大きく超過しているわけです。
古屋:なるほど。人口も大きくオーバーシュートしているわけですね。結局、石油などの化石燃料や再生不可能な資源を消費したおかげで人口が増えた。しかし、それらの資源はせいぜい200年ほどしか持たない。我々は「その日暮らし」をしているようなものです。 農業革命で肥料が生まれ、産業革命で化石燃料の恩恵を受け、人類は発展しましたが、人口的にオーバーシュートし、その反動が今来ている。
戦争もある意味では人口減少のための一つの調整的な現象かもしれませんが、そんな形で解決したくはありませんね。人間には理性があるのだから、国際法というガードレールを作り、オーバーシュートを防ぐ仕組みが必要です。倫理や教育の共有も重要で、即効性はなくて時間がかかるかもしれなませんが、それしかないと思います。
山本:いま “Climate Pulse” というサイトがあります。英語で Climate Pulse と検索するとホームページが出てきて、2〜3日前のものまで含めて、世界の一日の平均気温が確認できます。 つまり、人類は自分たちが置かれている状況を、非常に高い精度で把握できるようになってきたわけです。
月の裏側も、NASAが公開した写真で見られるようになりました。だからこそ、こうした情報をいかに怒涛の勢いで社会に普及させるかが、問題解決の鍵になると考えています。
古屋:ところで、情報ということに関して今日触れなかった話として、AIがあります。東大の研究所でも「情報の非対称性」が議論の中心ですが、その解決のヒントとしてAIは面白い存在で注目してます。AIへの警戒論やシンギュラリティの懸念はありますが、それは原子力などと同じで、どう扱うかが肝心です。 AIは膨大なデータを瞬時に解析し、論点整理ができる。
山本先生がおっしゃったように、数日前の平均気温もすぐ分かる。シミュレーションも得意です。将来は一人ひとりが自分専用のAIを持ち、日々の炭素行動――車の利用や呼吸によるCO₂排出まで――を可視化し、リスクとして認識できるようになるかもしれません。万歩計のように「今日これだけCO₂を出した」と通知される。出し過ぎると警報が鳴るような仕組みも考えられます。 AIは兵器として悪用される懸念もありますが、平和的な活用は十分可能です。科学の力を良い方向に使うことで、情報の非対称性の解消にもつながると期待しています。アプリ開発もできそうですし、脱炭素に逆行する政治家の携帯が鳴り続ける、そんな可視化も面白い工夫だと思います。
今日は大事な示唆に富む貴重なお話をありがとうございました。






