
東レ株式会社の中でも最も長い歴史を持つ繊維事業は、ナイロン、ポリエステル、アクリルの3大合成繊維をベースに原糸からテキスタイル、縫製品に至るサプライチェーンの各段階でものづくりに関与する世界的に例のないビジネスモデルを構築している。
また、衣料から一般・産業資材まで幅広い用途に展開しており、暮らしの中のあらゆるシーンで役立てられている。そういった繊維事業の中で新たな2つの取り組みにクローズアップした。
取り組み【1】
高級感ある光沢感と膨らみ感・微起毛感を表現する
新感覚ポリエステル長繊維「AURLIST™」の開発
-独自の複合紡糸技術NANODESIGN®を活用-
一つ目の取り組みとして紹介したいのは高級感のある光沢感と膨らみ感・微起毛感(びきもうかん)を表現できる新感覚ポリエステル長繊維AURLIST™(オーリスト™)の開発。主に婦人衣料用途(トップス、ボトム、ドレス等)での展開を予定しており、2026年度売上130百万円、2030年度売上200百万円の販売を目指す。
AURLIST™は、東レ独自の複合紡糸技術NANODESIGN®により、シルクの約10分の1まで繊維径を小さくした(注記:AURLIST™の繊維径を約1μmとする。)、収縮率の異なる極細扇型断面を形成することで、マイクロファイバーが生み出す上質な風合いと膨らみ、複雑な乱反射が生み出す上品な光沢と微起毛感(びきもうかん)を実現。これにより、AURLIST™は従来のポリエステル長繊維では得にくかった表情を演出しながら、ポリエステル長繊維のイージーケア特性を併せ持つためファッションの可能性を広げていく。
今後はAURLIST™を、東レ独自の最先端技術によるポリマー技術や革新的な複合紡糸技術によって生産される超高付加価値品として位置付ける、ハイエンドファイバーシリーズ「Toray Premium GOUSEN select®」として展開していく。
製品の詳細については下記の通りとなる。
記
1.商品名:AURLIST™(オーリスト™)
2.商品特長:従来のポリエステル長繊維では得にくかった次の特長を有する。
(1)高級感のある独特な光沢感
(2)膨らみ感
(3)微起毛感
(4)ソフトな風合い
3.技術内容:
(1)AURLIST™は、東レが開発した複合繊維の断面形状を任意にかつ高精度に制御する革新複合紡糸技術NANODESIGN®を駆使して実現した、シルクの約10分の1の繊維径である超マイクロ扇形断面のポリエステル長繊維。NANODESIGN®は、従来の複合紡糸では制約があった複合繊維の断面形態を、任意にかつ高精度に設計することが可能となる。複合化する樹脂は目的に応じた性質を有する樹脂を任意に適用することができ、AURLIST™においては、極細三角断面形状が多数配置された繊維を高精度にかつ安定的に製造することに成功した。
(2)同開発品は、収縮特性ならびに光沢感の異なる2種類の原料を使用することで、マイクロファイバーが生み出す上質な微起毛感とソフトタッチな風合いに加え、膨らみ感や複雑な乱反射が生み出すレーヨンのような上品な光沢感を発現しつつも、ポリエステル由来のイージーケア特性をも併せ持つ、新たなポリエステル長繊維となる。
4.展開用途: 婦人衣料用途(トップス、ボトム、ドレス等)

取り組み【2】
アクリル短繊維「TORAYLON™」の海外市場への提案力強化へ
-機能や用途に応じたサブブランドの立ち上げ-
2つ目の取り組みとして注目したいのは、アクリル短繊維ブランド「TORAYLON™(トレロン)」について、海外市場への提案力強化を目的とした、機能や用途に応じたサブブランドの立ち上げ。今後は、TORAYLON™が持つ柔らかな風合いと鮮やかな発色性の特長を活かし、消費者が求めるさまざまな機能や用途に対して機能軸で整理された高機能素材をわかりやすく提案することで、海外市場での訴求力を高めていく。
アクリル短繊維における国内生産の衰退が進む中、TORAYLON™は、東レが日本の生産拠点で培ってきた東レ独自の品質設計と安定生産技術を基盤に、1964年以来、国内外で販売を展開し、研究・技術開発、用途開拓を進めながら、さまざまな機能や用途に応じた原綿ラインアップを拡充してきた。一方で、海外では日本生産による高品質なアクリル繊維は一定の評価を得ており、海外に向けた提案力の強化が課題だったが、今回、TORAYLON™の機能特長ごとに整理し、海外のユーザーが求める機能や用途に応じたサブブランドを立ち上げた。
今後は日本生産ならではの一貫した品質管理体制のもと、多様な機能を兼ねたTORAYLON™を安定的に生産し、求められる機能に応じて多様な原綿ラインアップを展開。今回の海外市場への提案力強化に向けては、こうした既存の強みを活かし、原綿ラインアップを機能軸で整理・再定義することで、「Made in Japan」の信頼性をより分かりやすい形で海外市場に訴求していく。この取り組みを通じて、TORAYLON™の海外市場における提案力を一層強化し、日本生産ならではの品質と機能特性を分かりやすく伝えるブランド運用により、グローバル市場でのさらなる価値創出を目指していく。
<マザーブランドの概要>

<サブブランドの概要>

<サブブランドの定義>
TORAYLON™をマザーブランドとして位置付け、機能特長を示すアルファベット2文字のサブブランドを新たに定義した。これにより、素材特長を一目で把握でき、用途別の素材選定をより容易にする。これらのサブブランドは、日本生産による品質の安定性を前提に、TORAYLON™の特長を機能別に整理したものとなる。
<海外向けラベル(下札)の刷新>
同取り組みにあわせて、海外向けラベル(下札)デザインを刷新。サブブランド名と機能特長を視覚的に分かりやすく表現することで、海外市場においてもTORAYLON™の価値が直感的に伝わるコミュニケーションを実現する。
<マザーブランド(TORAYLON™)ラベル>

<サブブランド(TORAYLON™ FN)ラベル>






