国内初の浮体式洋上ウィンドファーム
「五島洋上ウィンドファーム」が商用運転を開始

五島フローティングウィンドファーム合同会社(以下、当SPC)は、浮体式洋上風力発電所「五島洋上ウィンドファーム(以下、同発電所)」の商用運転を2026年1月5日より開始した。

事業について

同発電所は、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律に基づき、経済産業大臣及び国土交通大臣から公募占用計画の認定を受けた国内第1号の案件であり、複数機設置する商用浮体式洋上風力発電所としても国内初となる。

同発電所にて採用したハイブリッドスパー型浮体は、浮体上部に鋼、浮体下部にコンクリートを採用する構造であり、当SPCの代表企業である戸田建設株式会社が設計から施工まで行い、世界で初めて実用化した技術となる。

同発電所の建設工事には、多くの地元企業が参画。また、今後の運転管理においても地元企業が参画していく。発電した電気は、エネルギーの地産地消の観点から、地域の小売電気事業者に優先して供給することとする。

風車8基の全景
風車配置模式図

五島洋上ウィンドファームの再エネ電気を活用した
「地産地消モデル」の運用を開始
特定卸供給を活用した五島市内の需要家へ再エネ電力の供給を実現

戸田建設が出資するフローティング・ウィンド・アグリゲーション(株)は、2026年1月5日より運転を開始した五島フローティングウィンドファーム(同)(以下「FWF」)の五島洋上ウィンドファームで発電された再生可能エネルギー電気を活用し、五島市内の需要家に向けた電力卸供給を開始した。

同取組みでは、FIT(固定価格買取制度)を活用しながら、特定卸供給※1のスキームを用いることで、五島市沖で発電された洋上風力の電力を、五島市内の特定の需要家へ供給。これにより、大規模な再エネ電源を活用した「電力の地産地消」を実現し、同市が目指す「ゼロカーボンシティ」の実現に貢献していく。

※1特定卸供給: 発電事業者が、小売電気事業者に対して、特定の需要家への供給用として電気を卸供給する制度。これにより、発電所と需要家が特定された形での電力供給が可能となる。

図-1 事業スキーム



取り組みの背景と目的

長崎県五島市は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、浮体式洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入を積極的に推進。戸田建設は五島市において、日本初となる浮体式洋上風力発電所の建設・運営に携わってきたが、発電した電力を地域で有効活用することが課題となっていた。

今回、FWAが地域アグリゲーターとしての機能を担い、特定卸供給の仕組みを活用することで、五島洋上ウィンドファームで発電した電気を、地域内の企業や施設で直接利用するモデルを構築した。

スキームの概要

1/発電所: 五島洋上ウィンドファーム(2026年1月5日運転開始)
2/供給方法: FWAが発電事業者(FWF)から再エネ電気を特定卸供給により調達し、地域の小売電気事業者 (五島市民電力)を通じて、五島市内の需要家(公共施設や民生・産業需要など)へ供給。
3/特徴: 発電事業者(FWF)はFIT制度の下で売電を行いつつ、FWAが環境価値の紐づけや産地証明を行うことで、需要家は「五島産の再エネ電気」を使用していることを明確にできる。

今後の展望

戸田建設およびFWAは、本事業を通じて五島市におけるエネルギーの地産地消モデルを確立し、地域経済の活性化と脱炭素社会の実現に向けた取組みを加速。また、将来的には蓄電池の活用による需給調整など、アグリゲーションビジネスの拡大、さらなる付加価値の創出を目指す。



写真-1 五島洋上ウィンドファーム(手前8基)とはえんかぜ(奥)