
グリーン購入ネットワークでは、「持続可能な調達」を通じて、グリーン市場の拡大に貢献した取り組みやSDGs の目標達成に寄与する取り組みを表彰する「第26 回グリーン購入大賞」の表彰式が12 月17 日都内にて開催された。
最初にGPN 会長であり審査委員長を務める梅田 靖氏が挨拶。今回の総評を行った。梅田氏は今年度が、顧客やステークホルダーへ情報発信することによる啓発効果と取り組みへの共感の獲得、共感を得やすくするためのストーリーデザインに趣向を凝らしている点が特徴的だったと述べ、新たなビジネスを興そうとするスタートアップや、業界の環境配慮を底上げするために次世代を育成する取り組みも見られたことに触れた。また、原材料調達におけるリスク対策をサポートする調達の事例は、原料産出地への向き合い方のヒントとなり、環境マネジメントシステムの中にグリーン購入を位置付けたり、近隣の他団体と連携して共同調達を行ったりする事例は、効率的にグリーン購入に取り組む知恵と、まだ十分に取り組めていない地方自治体へグリーン購入を広げるポテンシャルがあることを示したと話した。

環境省大臣官房政策立案総括審議官 飯田博文氏、経済産業省大臣官房審議官GX担当 福本拓也氏、農林水産省大臣官房審議官(技術・環境)、西 経子氏の来賓挨拶の後、大賞受賞団体が登壇。代表者がスピーチを行った。

大賞・環境大臣賞を受賞した株式会社スーパーホテルからは代表取締役社長 山本 健策氏が挨拶。同社は2010 年より、公式ホームページ経由の予約および Premier 店舗の利用室分を 対象に、宿泊に伴う CO2 排出量(Scope1、2 相当)をカーボン・オフセットする「ECO 泊(エコ泊)」を提供。2024 年 10 月からは、対象範囲を全ての宿泊に拡大し、「CO2 実質ゼロ泊」のサービスを開始した。宿泊時のガス・水道の使用による CO2 排出量は 100%カーボン・オフセットし、電力消費に関しては電力会社の CO2 フリープランや非化石証書を活用して全ての宿泊施設で再生可能エネルギー由来のグリーン電力を使用。2025 年 3 月までの「ECO 泊」および「CO2 実質ゼロ泊」の宿泊数は 延べ約 2,959 万泊となっている。受賞では長年継続的に実施されてきた ECO 泊の取り組みを、全ての宿泊に対象を拡大したことが、評価された。山本氏は2000年から熊本県水俣市から始まった環境活動を振り返り、今回受賞したホテルに泊まるだけで環境保全につながる「CO2 実質ゼロ泊」が現場スタッフはもとより、賛同いただいたお客様の存在があってこそ成し得たことを強調。小さなグリーン選択の積み重ねが大きな未来社会の形成というものにつながっていくと述べた。

大賞・経済産業大臣賞を受賞したamu 株式会社株式会社からは、代表取締役 CEO加藤広大氏が登壇。amu 株式会社は、「いらないものはない世界」の実現をビジョンに掲げ、耐用年数を終え使用済みとなった漁具が環境負荷をもたらし、その処分が漁業者にとって経済的負担になっている状況を踏まえ、使用後の 漁具を漁師から買取り高品質の素材に再資源化する事業を展開してきた。漁具の回収から素材・製品開発、流通まで一貫したサプライチェーンを構築し、トレーサビリティも確保に努めてきた。そして、これまで 30 を超える都道府県の漁港を巡り、現地の漁業者との関係構築や漁具回収に関する相談を行った結果、見込み回収量は約 100 トンに達している。また、素材の品質や透明性を保証する「amuca®タグ」を提供し、QR コードを読み取ることで、どの地域で回収した廃漁具を使用しているかを見える化し、集積地域、漁具提供者、回収量などをその場で伝える取り組みを実施している。今回は廃漁具の回収から製品製造・販売まで行うシステムの構築に加えて、地域との結びつきを重視し、製品のQR コードから「物語」を発信することで、消費者に対して価値を伝え、海洋プラ問題への意識変革の促進につなげている点が評価された。山本氏はスピーチで環境に対する様々な取り組みがただ「環境にいい」ではなく、「おもしろい」といった直感的なものが大きく影響し、今回受賞した使用後の漁具を漁師から買取り高品質の素材に再資源化する事業についてもイベントで発せられた4歳の女の子の「かわいい」という言葉が後押しになったと述懐した。そして、今後もそういったストーリーを紡ぎながら、コラボレーションを広げたいと話した。

大賞・農林水産大臣賞を受賞の一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会は、代表理事 下田屋 毅氏がスピーチ。
同協会は、英国のサステイナブル・レストラン協会との連携により、調達・社会・環境を 3 本柱とした FOOD MADE GOOD スタンダードというグローバル基準に基づき、飲食店に包括的な食のサステナビリティへの取り組みを促してきた。また、飲食店へのサポートも行い、フードシステムをよりサステナブルな方向へシフトさせるための活動を展開。
2021 年より実施している「未来のレシピコンテスト」は、30歳以下の若手料理人や調理師・製菓衛生師養成施設の学生のサステナビリティへの意識を育成し、「何をつくるか」だけでなく「何を選ぶか」を問う機会としており、2024 年までの 4 年間に延べ約 130 人が参加した。2025 年には受賞レシピを提供する協力店舗も生まれ、実店舗での展開により消費者の反応を得る機会ができるなど、食のサステナビリティの社会的な広がりに結びついている。今回は食に関する環境負荷は重要な社会課題であるなか、「未来のレシピコンテスト」は、食に関わるステーク ホルダーを環境影響や社会影響の観点で結びつける機能を有し、若手料理人向けに持続可能な食材選定を促す教育型コンテストとして継続的に開催されており、次世代に繋がる活動が受賞につながった。下田屋氏は、飲食店のシェフたちが「サステナビリティをどう進めればよいか分からない」という現状を理解した上で、若手料理人・シェフが学べる仕組みを地道に広げていくことの将来性が評価された、と語った。

続いて大賞受賞した国際航業株式会社(持続可能な原料調達支援サービス「診ま森(みまもり)GLOBAL」)、三和石産株式会社(生コン輸送にも配慮した再生セメントを使用した環境配慮型コンクリート)、雪ヶ谷化学工業株式会社(B to B to The Future 〜ものづくり中小企業のサステナブルチャレンジ〜)、株式会社カインズ (店舗をハブにした園芸用土の水平リサイクルシステムの構築[店舗で回収・再生品販売]農林水産特別部門)の代表がスピーチを行った。




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2025.12.6 掲載





