旧・東京モーターショーが2023年に「ジャパン・モビリティ・ショー」へと衣替えして今回は第2回目。「自動車王国・ニッポン」を取り巻く環境が激変する中、近未来の「のりもの」がどう姿を変えるのか。カッコいいクルマの紹介は他メディアに譲り、ここでは「Well being」をキーワードに気になるアイテムをご紹介します。(深川孝行)

【日産自動車】
天井にソーラーを搭載、伸縮自在で発電不足の弱点を克服
「Ao-Solar Extender」(アオゾラ エクステンダー)

「技術の日産」の底力を見せつけたアイテムで、クルマのルーフにソーラー・パネルを敷き詰めれば、「自給自足」のEV(電気自動車)が即誕生!とのアイデは数十年前からありました。

しかし問題は「面積」。車の天井は狭く、そのままでは一定の発電量を賄えることすら困難です。そこで同社は即時開発の伸縮自在な太陽光パネルを、国内EV販売台数で3年連続1位の「日産サクラ」に搭載。

停車時にソーラー・パネルを展張して発電効率を約2倍にアップするのがミソで、年間走行距離約3000km分の発電量があれば外部充電は不要、というユーザー・アンケートを基に、発電量は走行時約300W、展張時(停車時)約500Wを実現、災害時は給電拠点として活躍が期待されています。

【豊田合成】
水素カートリッジをそのまま胴体に、短距離移動の「水素スクーター」
Hydrogen Scooter(ハイドロゲン・スクーター)

水素カートリッジを手掛ける同社は、これをそのまま「胴体」に、簡易的なスクーターをすることを思いつきました。同社が提唱する将来コンセプトカー「FLESBY HY-CONCEPT」は、尾部に増槽として水素カートリッジ3本を格納できますが、これをさらに汎用化。折り畳んで車内に収納可能なスクーターも開発、水素カートリッジをはめれば、れっきとしたスクーターで、速度メーターはスマホを使用、という「実用性一点張り」には恐れ入ります。

【東北大学大学院 工学研究科】

水熱処理だけで、プラスチック廃棄物から、高品質プラスチックとモノマーを選択的に回収するプロセスを開発。特に塗装されたプラスチックとモノマーを選択的に回収できるプロセスを確立した点が注目です。

【電動モビリティシステム専門職大学】
ユーザー目線のポータブルモビリティ

山形に本拠を構える同学校は、ユーザー目線の電動モビリティ開発に挑戦中。

【CUEBUS】
自動物流道路

今回同社が世界初公開のアイテムで、国交省主導の新物流インフラ構想の具現化と言っていいでしょう。簡単に言えば、第2東名高速道路の地下に物流専用の無人リニアモーター物流インフラを構築。業界標準の「1.1パレット」を最小単位に、24時間・365日移送させるというものです。

【クォンタムメッシュ】
画期的な液浸冷却技術でデータセンターの〝ヒートアップ〟を阻止

生成AI全盛で、問題はうなぎ登りの電力需要と、これにともなう「発熱」。同社は特殊な技術でこれをクリア。