
水使用量の削減と水循環に関する教育・啓発活動の両カテゴリーで認証を取得
東レ株式会社(以下「東レ」)が、内閣官房水循環政策本部が定める「水循環企業登録・認証制度」において、水循環に資する取組を積極的に実施している「水循環ACTIVE企業」に認証された。

同制度は、企業による水循環に資する取り組みの促進を図り、社会全体で水循環に向き合う目的で令和6年に創設。水量や水質に直接貢献する「水量水質カテゴリー」と、人材・資金・機材などを通じて貢献する「人材資金カテゴリー」の2つのカテゴリーでそれぞれの基準に基づき評価、認証される。
東レは事業活動における水使用量の削減と、社外での水循環に関する教育・啓発活動が評価され、両カテゴリーで認証を取得した。両カテゴリーでの認証取得は、「水循環ACTIVE企業」に認証された145社のうち21社のみとなる。
世界各国の水不足解決にチャレンジ。多様なフィールドで活用
様々な調査によれば世界の総人口の2/3にあたる40億人が年に1ヶ月間は深刻な水不足に悩まされており、年々悪化の一途をたどっているという。また、年間を通じて水不足に苦しむ人々は5億人にも達し、国連の国際資源パネルは、2030年までに増加する水需要に対し供給が40%不足すると警鐘を鳴らしている。
それらに先駆けて東レは1960年代後半からこの水の問題に着目し、海水を淡水にして利用するための逆浸透(RO)膜の開発にいち早く着手することで世界が直面する水不足にチャレンジ。現在、RO膜は水問題で悩む世界中の水処理プラントで活用されている。
一例を挙げれば2023年4月には中華人民共和国香港特別行政区のチョンクワンオウ海水淡水化プラント向けにRO膜を受注。2024年2月には、サウジアラビア王国のヤンブ4海水淡水化プラント向けに提供している。また、水需要が急増するインドにおいてはRO膜を含めた東レの水処理膜技術を導入し、下水再利用システム実証を開始している。
水を使う様々な製造プロセスの効率化や循環型水システムの導入に取り組んできた結果、その用途は、海水淡水化をはじめ、廃水再利用から工業用途まで拡大。さらに質の低い処理水を高品質な工業用水に変換する技術なども開発してきた。また、水産業や農業などにも多様なフィールドでその技術は活かされている。
小中高校にて水処理膜を題材とした出張授業を長年実施
東レは「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」に基づき、2030年の用水使用量原単位の削減目標を掲げ、製造プロセスの改善、節水活動、再生水の活用などを通じて水資源の3R(リデュース・リユース・リサイクル)を推進している。また、中期的な目標として「CSRロードマップ2025」でもKPIを設定し、用水使用量原単位の削減を進めている。工場排水についても地域の規制を遵守し、水質を常に確認した上で排出している。
さらに、小中高校にて水処理膜を題材とした出張授業を長年実施し、環境教育プログラムでは、世界が直面している水問題の現状や、その解決に向けた科学技術の役割を同社の中空糸膜を使った教材によるろ過実験等を通じて、具体的かつ実践的に学ぶ機会を提供している。






