
地球環境を視野に開発した新商品や新たな取り組みを紹介
イオントップバリュ サステナブル新商品&戦略進捗発表会が6月10日、イオンモール幕張新都心で行われた。2025年までの目標として、商品全品を100%環境配慮商品にすることを掲げ、「脱炭素」と「自然保護」の観点から、化石由来の資源削減や CO₂削減、資源循環、再利用などを促進するための開発を進めているイオントップバリュ。今回の発表会では地球環境の保全のためにできることを視野に開発した新商品や新たな取り組みを紹介。日本初上陸で、カカオを使用していない植物由来原料の新しいチョコレート代替品や、今年で発売10年目となる特定原材料8品目を使用せず作った「やさしごはん」シリーズの新しいスイーツ、子どもたちに安全・安心なご飯とおやつをご提供する「fun fun smile」より、グリーンアイオーガニック商品が新たに発表された。また、通常は未利用部分であるさつまいもの皮と外側を使用した商品や、国内プライベートブランド初、国際フェアトレード認証のバラ、使われなくなった工業用のアルミケーブルをリサイクルしたアルミホイルなども会場に展示された。

右側)同社 取締役商品開発本部長 高橋幹夫 氏
左側)イオンリテール株式会社 執行役員衣料本部長 小田島淳子 氏
2025年度中にすべてのトップバリュ商品を「環境配慮商品」へ
発表会では、まずイオントップバリュ株式会社 代表取締役社長 土谷美津子氏が、2025年度の取り組みについて説明。冒頭、日経BP「第5回ESGブランド調査」でイオンが初の総合1位に選出されたことに触れ、サステナブルな商品に力を入れてきたトップバリュも貢献できたのではないかと語った。そしてここ数年で「環境に配慮された商品を選ぶ」意識が高まったにも関わらず、環境配慮を重視し、やや高い価格も許容できる消費者は1割強に留まり、環境にもお財布にもやさしいことが大事であることを強調した。
そういった中、トップバリュにおいても「リサイクルトイレットペーパー2倍巻」や「オーガニック成分無調整豆乳」などが売上第一位となったことを報告した。そして、今回の新商品となるに国内PB初、国際フェアトレード認証取得のケニア産バラとひまわりの種を材料に用いたチョコレート代替品「チョコか?」を紹介。農薬も多く削減したバラや労働環境や環境負荷について様々な課題を抱えるカカオをまったく使わない「チョコか?」の魅力に触れた。
次に土谷氏は、「環境配慮の取り組みが具体的に表記してある商品」に対して、「安心・信頼できる」人が約半数となる調査報告を挙げ、“見える化”が安心・信頼につながることを確認。2025年までにすべてのトップバリュ商品を「環境配慮商品に切り替える」と宣言したことを振り返り、それが達成できる見込みにあると話した。
続いて2016年発売の特定原材料7品目不使用(現在は8品目)のトップバリュ「やさしごはん」が10年目に突入し、さらにあんぱんやテリーヌなどの新商品を拡充。27品目となったことを報告した。また独自の品質基準を設け安全性とおいしさにこだわったトップバリュのベビーフード「fun fun smile」について言及。添加物の使用を極力減らす等、独自の品質基準や保育士、栄養士、歯科医師の意見を取り入れた企画・開発、シーンやニーズごとに合った3シリーズがあるという3つのこだわりを説明した。さらにスウェーデン大使と懇談した際に同国では赤ちゃんが泣いたときにすぐに購入できるよう、様々な商業施設1階にベビーフードを置いてあると語っていたことを紹介。その結果、イオンでは1階と3階に設置するようになったと語り、説明を結んだ。

モノづくりへの想いと、イオントップバリュの理念が一致
続いて同社取締役商品開発本部長高橋幹夫氏が登壇。トップバリュ新商品の具体的な魅力を解説した。まずカカオを一切使用せずに作ったダイジェスティブビスケットとなるカカオ代替お菓子「チョコか?」をピックアップ。同商品が炭素排出量をカカオ比で80%削減し、オーツ麦と全粒粉のしっかりした味わいのビスケットであり、 チョコレート生産の環境問題、労働問題対策に配慮した商品であることを強調し、試行錯誤の結果、環境負荷が少なく、極めてチョコに近い食味を持つヒマワリの種をベースとする「CHOViVA」を原料として採用した経緯を話した。
次に国際フェアトレード認証取得のケニア産バラなどエシカル「トップバリュの花」は、花き産業における国内外の課題に対応し、サプライチェーンの整備と持続可能な生産と消費に着目する中で誕生したと説明。
国産有機レモングラスを原料としたペットボトルハーブティーとして国内初となるグリーンアイオーガニックレモングラスティーの開発に至っては、原料製造委託先である有限会社グリーンティ五島の入江稔雄氏を紹介し、モノづくりへの想いと、イオントップバリュの理念が一致することで誕生に至ったことを強調した。
さらに包装まで紙で作ったソフトパックティシューや未利用部分をアップサイクルし、2トンの残渣削減に貢献した「さつまいもクッキー」やリサイクルアルミを使用したアルミ製品の他、「やさしごはん」などの新商品の魅力を語った。


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安全性や美味しさにこだわり、ベビーフードを提供
イオンリテール株式会社執行役員衣料本部長小田島淳子氏は、昨年から第1弾として18品目、460店舗で売り場展開しているベビーフード「fun fun smile」に言及。そこに至るまで組織を超えた精鋭メンバーによる開発プロジェクトを立ち上げ、取り組んできたと述べた。さらに出生率の低下や少子化にも関わらず、共働きなどによる時短ニーズや健康志向の高まりなどでベビーフード業界が大きく成長する中、「fun fun smile」では、厳しいヨーロッパの基準を参考に独自の品質基準を策定。グループインタビューで様々な現場の声を反映し、「もっと楽しく、もっと笑顔に 安全・安心なごはんとおやつ」をコンセプトに安全性や美味しさにこだわり、新商品を開発してきたと話した。
そして、わかりやすく・選びやすい表示や時間のない親が選びやすいよう「みんな大好き!保育園のぱくぱくレシピ」「おいしく野菜(果物)プラス」「素材のおいしさそのままおやつ」の3シリーズにこだわったことを説明。好評を得た 第1弾に続き、子育て先進国スウェーデンを参考に企画開発し、第2弾が6月30日(月)より順次、オーガニック認証商品など7品目発売されることを紹介した。
