東レグループでは、小・中学生や高校、大学生に対し、理科教育や環境教育をはじめとして、キャリア教育などサステナブルな社会を担う人を育てる教育支援活動を実施している。今回はその中から本年6月以降に行われた活動を紹介する。

東京都足立区の小学校で出張授業を実施

6~7月にかけ、東京都足立区にある花畑小学校と、渕江小学校の6年生を対象に出張授業を行った。

環境教育プログラム「水処理膜と地球環境問題とのかかわり」は、東レの水処理用中空糸膜を使ったろ過実験を通して、実社会と結びついた理科の学びを体感するプログラム。生徒たちに理科学習と先端技術とのつながりに気付いてもらい、科学への興味・関心を育むことを目的としている。

花畑小学校で講師を務めた電子情報材料事業管理室の戸畑さんは、実験中、児童たちに声をかけながら実験をサポートした。渕江小学校で講師を務めた自動車材料事業部の多賀さんは、身振り手振りを交えながら、児童が理解しやすいように授業を進めた。2人とも初めての出張授業の講師にもかかわらず、先生や生徒から大変好評を得+ていた。

児童からは、「水を大切に使っていくために、節水など自分にもできることを考えて行動していきたいと思った」「理科に少し興味を持てた」「日本の技術力の高さに驚いた」といった感想が寄せられた。

写真左)サンプルを見せながら説明する戸畑さん 

写真右)児童を見渡しながら話す自動車材料部の多賀さん
身を乗り出して実験の結果を観察する児童

全国の中高生19人が参加し「夏のリコチャレ」を滋賀で開催

8月6日、中高生を対象に滋賀事業場内の未来創造研究センターで「夏のリコチャレ*12024 科学の力で豊かな未来社会をつくろう 東レの研究体験コース」を開催した。東レの研究や理工系の仕事について知ることができるイベントに、全国の中高生19人が参加した。

東レの紹介を行った後、社員の案内で未来創造研究センター内を見学。参加者は、実験室で水処理膜の実験を観察したり、3Dプリンターで作った製品を見ながら研究について聞いたり、デモ機を使って製品の使い方を学んだりした。

その後は、「素材」が身近なところで活躍していることを実感してもらうために、感光性樹脂凸版「TORELIEF™(トレリーフ)」を用いてオリジナルスタンプを作製。社員のサポートを受けながら、真剣に取り組んでいた。

最後は、2~3人のグループに分かれて座談会を行い、各研究所で働く社員と交流を深めた。最初は硬い表情していた参加者も、座談会では、生き生きとした様子で、興味深く社員の話に聞き入ったり、積極的に質問したりするなど、大変盛り上がった。

参加者のアンケートでは、全員が「非常に満足」「満足」と回答し、「見たことのない機器を見たり、座談会で勉強のことなどについて聞いたりできて楽しかった」「研究のことについてくわしく知れたうえに、将来の夢について考えるきっかけができたので良かった」「研究職や大学の詳細について、様々なことを聞くことができた。理系の道に興味を持った」「座談会で来てくださった方との会話がとてもはずんで楽しかった」などのうれしい感想や、「普段生活する中で知ることのできないような体験をさせていただきありがとうございます」「今日一日、仕事が忙しい中私たちに付き合っていただきありがとうございました」といった感謝の言葉が多く書かれていた。

*1.夏のリコチャレ:内閣府・文部科学省・経団連の共催で、夏休み期間を利用して行われる、主に女子学生を対象とした、企業・大学等によるイベント。理工系の仕事を体験させることで、科学技術系進路への興味関心や理解を向上させ、次代を担う科学技術人材を育成することが目的。

写真左)未来創造研究センターの見学  写真右)「PICASUS™(ピカサス)」のデモ機
写真左)座談会の様子  写真右)参加者全員で集合写真

愛媛工場における高校、大学での教育支援活動

愛媛工場では2023年度から、愛媛県高校での「総合探求」の時間で 地元企業を学び探求する「みきゃん探究」プロジェクトに参画し、炭素繊維「トレカ™」のICT教材を提供している。10月10日には、この一環で、愛媛県松山市の済美高等学校で出張授業を行った。当日は、炭素繊維「トレカ™」を「総合探求」テーマに選択した1年生をメインに講義し、グローバルに活用されている東レの炭素繊維と、それ以外にも多数の先端素材を扱っている愛媛工場の概要を説明するとともに、CO2削減など、素材に社会を変える力があることもPRした。

さらに愛媛県松山市の松山東雲女子大学から「現代社会とライフデザイン」講座への出張講義の要請があり、地域貢献活動の一環で、10月23日に、愛媛工場事務部長が「東レグループおよび愛媛工場での人材育成、キャリア支援、女性活躍推進の取り組み」と題して講義を行った。

受講生からは「東レがいかに人を大事にしているかがよく分かった」との反応を頂き、副学長以下、教授陣からも感謝の言葉が伝えられた。

またこの機会に、東レの「ウルトラスエード™」や「トレシー™」などに触れる機会を設けることで、東レ製品の機能性の高さ・多様さを実感していた。

写真左)授業の様子  写真右)東レ製品の手触りを確認

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