オフィスの枠を超えたアートとビジネスが交錯する場
東京都中央区京橋一丁目にて戸田建設が開発を進めていた超高層複合ビル「TODA BUILDING」が11月2日に開業した。
完成した「TODA BUIDLING」は、ビル共用部でのオフィスワーカーと芸術文化エリア利用者の交流を意図し、8~27 階をオフィスフロア、1~6階を芸術文化施設と商業施設で構成する地下3階地上28階建ての超高層複合用途ビル。「人と街をつなぐ」をコンセプトに、ミュージアム、ホール&カンファレン ス、ギャラリーコンプレックス、創作・交流ラウンジ、ギャラリー&カフェを設けるほか、同社のアート事業を含む様々なアートプログラムやイベントを展開することで、オフィスの枠を超えたアートとビジネスが交錯する場所を創出していく。
1F の中央通りに面する緑豊かな広場は、アート作品や地域のイベントを楽しめるほか、憩いの場としても利用可能。また、高さ16mの大きな吹き抜けが特長のエントランスロビーとそれを取り囲む2Fの回廊から成るビル共用部では、当社のアート事業「ART POWER KYOBASHI」の一環としてパブリックアートプログラム「APK PUBLIC」を展開していく。
3F のギャラリーコンプレックスには、現代アートを代表する「タカ・イシイギャラリー 京橋」「小山登美夫ギャラリー 京橋」「KOSAKU KANECHIKA」「Yutaka Kikutake Gallery」のギャラリー4軒が集結。 東京駅前エリアが現代アートの発信拠点へと変貌する。また、ギャラリーごとに異なる建築家が内装デザインを手掛けており、アートだけでなく空間としても各ギャラリーの個性を楽しめる。
6F のCREATIVE MUSEUM TOKYO(略称:CMT)は、「作品」や「表現者」、さらにはそこに至る「プロセス」 を大空間で体感できるミュージアム。大空間の展示室ではアニメ、マンガ、音楽等のポップカルチ ャーや現代アート、デザインなどの展覧会を年間約4本開催する予定となっている。
さらにミュージアムショップと中央通りを 望むテラスに隣接したミュージアムカフェでは、展覧会毎にオリジナルグッズや、オリジナルメニュー を提供する。同ビルは隣のミュージアムタワー京橋とともに「京橋彩区」を形成。同街区は、「アートと文化が誰にも近い街」をコンセプトに開発が行われ、今後は京橋の魅力も高め、子どもから大人、ビジネスパーソン、観光客など、訪れる人々に、芸術文化の魅力と居心地の良い時間・空間を届ける役割を担う
「Build the Culture.人がつくる。人でつくる。」を体現するビルへ
開業日の前日となる11月2日には記者発表会を実施。戸田建設代表取締役社長大谷清介氏や執行役員副社長 戦略事業本部長植草弘氏、戦略事業本部長国内投資開発統括部次長 小林彩子氏のほか、芸術文化エリアの担当者やアート事業のキュレーターやアーティストが登壇。戸田建設社長の大谷氏は挨拶の中で1898年に創業したその歴史を振り返りながら、先人たちの想いを現在、そして未来の従業員につなげるためにこのビルディングの建設事業が約20 年前から計画が進められてきたことを紹介。多くの画廊や古美術商が軒を連ねる京橋の特性を活かし、隣接するミュージアムタワー京橋とともに「京橋彩区」として芸術文化の発展拠点を担っていると話した。
さらに多くの革新的技術を取りいれ、連層耐震壁「コアウォール」などによって国際トップクラスの耐震性能を発揮。環境配慮型のコンクリート「スラグリート®」をはじめとする多くの環境性能を備え、ネットゼロを見据えた先進建築物を指すZEB Readyなどの認証を取得していることを伝えた。大谷氏が言及したように同ビルは環境負荷低減に係る各種取組により、LEED GOLDやCASBEE Sランク環境認証も取得。同プロジェクトの工事と竣工後のビル運用において、RE100に対応した再生可能エネルギー由来による電力を導入し、建設資金の一部は「グリーンボンド」にて調達している。
大谷氏はさらに同ビルが刺激的な体感ができるアートとビジネスが交錯する場を提供し、同社のブランドスローガンである「Build the Culture.人がつくる。人でつくる。」を体現する空間であることを強調。多様な価値を生み出し続けるだけではなく、京橋とともに新たな文化を創出していきたいと抱負を述べた。