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環境問題やSDGs関連のカタカナ語、どうなんでしょうか?
どの業界にも独特の業界用語というものがありまして、我々の世界にももちろんあります。俗に言う符丁(ふちょう)ってやつですね。例えば楽屋で師匠が弟子に「おう、ノセに行くか?」なんて声をかけている風景をよく見ます。はじめこれ聞いた時は私「これから頭の上に何か乗っける」というような曲芸の稽古に行くのかと思いました。でも違うんですね。この時のノセルというのは「食べる」という意味なんです。
危なく私、「落語を覚える前にいきなり余芸ですか?」って師匠に聞いちゃうとこでした。おそらく他の業界でも我々と同じ符丁を使っているところがあると思います。
落語には知ったかぶりを題材にしたものが幾つかございます。その中の一つ「転失気(てんしき)」。
あるお寺の和尚さん、具合が悪くてお医者さんから「テンシキはございますか?」と聞かれます。この「テンシキ」とはおならのことなんですが和尚は知りません。すぐにお医者さんに「テンシキとはなんですか?」と聞けば良いんですが和尚はプライドが高くてそれができない。その場では「ありません」と答えたのですが、医者が帰ったあとこのテンシキが気になって気になって仕方がない。そこから話が面白く展開していくという滑稽噺でして。
とにかくカタカナ語っていうのは自分がその中身を知っているのか、そしてそれがお互いの共通認識になっているのかがすごく大事ですよ。こないだ日本育ちのアメリカ人にサーキュラーエコノミーってなんだって聞いたら、「私英語が苦手だからわからない」って答えてきました(笑)
環境問題やSDGs関連のカタカナ語、世の中のことと合わせればどんどん増えてます。きっとこれからもまだまだ増えますよね。符丁=隠語。環境問題やSDGs関連のカタカナ語を隠語にしない事、そして自分はそれを滑稽話で終わらせない事、大事だと思います。ですから私は!、このVaneがすごく良いなって思ってます。みなさん!そうですよね!!
2024/5/11 掲載