アサヒビール株式会社は、1990年にいち早く企業の社会貢献活動を推進する企業文化部(現・環境社会貢献部)を設立し、本社ビル等でのロビーコンサートを手始めに、企業のメセナ活動を積極的に推進してきた。現在では、各職場に社会貢献活動推進委員をおくなど、ボランティア活動への社員参加の一層の推進を図り、「社会的な責任を果たす企業」を目指して活動を続けている。その活動の一つとして生まれたのがアサヒグループ大山崎山荘美術館となる。

アサヒグループ大山崎山荘美術館は、大正から昭和初期にかけ建設された「大山崎山荘」の保存再生、活用を目指し1996年に開館。アサヒグループの一員としてあらゆる世代、地域・国の方々が、芸術文化を観て、感じて、触れて、創造のきっかけとなるような新たな鑑賞体験の場を目指してきた。

今回開催するのは、「加賀正太郎没後70年・ニッカウヰスキー90周年記念 蘭花譜と大山崎山荘―大大阪時代を生きた男の情熱」という企画展。

2024年は、大山崎山荘を造った加賀正太郎(1888-1954)が66歳で没してから70年にあたる。彼は近世から近代にわたり経済の中心地として発展した船場(現在の大阪市中央区の一角)に生まれ、大大阪時代のただなかで活躍した実業家だった。その業績のひとつに、ニッカウヰスキーの前身である大日本果汁株式会社設立への貢献があげられ、奇しくも本年はニッカウヰスキー創立から90年を迎える年にもなる。

同企画展では、加賀正太郎の足跡をたどるとともに、彼が後世に残した貴重な財産である大山崎山荘と『蘭花譜』を広く紹介する。『蘭花譜』(1946年発行)とは、加賀正太郎が自ら育てた蘭をモチーフに監修・制作した木版画83点、カラー図版14点、単色写真図版7点の104点で構成される植物図譜。なかでも木版画の美しい色彩や技法は、美術品としても高い評価を得ている。機会があれば足を運んでみてはいかがだろうか。

展示作品:『茨木カンツリー倶楽部10周年記念誌』(1934年発行)より
展示作品:『蘭花譜』No.72 レリオカトレヤ・ペレウス‘オオヤマザキ’ 当館蔵

■ 会期
 2024年3月9日(土)ー5月12日(日)

■ 休館日
 2024年3月11日、4月8日、4月15日、4月22日(月)、
 4月30日、5月7日(火)

■ 主催
 アサヒグループ大山崎山荘美術館

■ 入館料
 一般1,100円(1,000円)
 高大生500円(400円)
 中学生以下無料
 障害者手帳をお持ちの方300円
 ※( )内は 20名以上の団体の場合
 ※価格は全て税込表示

■ 後援
 京都府、大山崎町、大山崎町教育委員会、NHK京都放送局、京都新聞、エフエム京都

■ 展示構成
 ・加賀正太郎と大山崎山荘
 ・大山崎山荘を訪れた人々
 ・大山崎山荘の肖像
 ・加賀正太郎の挑戦
 ・~百花繚’蘭’~『蘭花譜』の世界
 ・ニッカウヰスキー90周年記念コーナー