「全ての製品の元となる素材には、社会を本質的に変える力がある」との強い信念を持つ東レグループ。ここでは世界各地でCSR活動を展開する同社の直近の話題を3件紹介する。
地元小学校でペットボトルリサイクル繊維に関する出張授業を実施
マレーシア東レグループは、使用済みPETボトルを原料としたリサイクル繊維ブランド「&+」の推進活動の一環として、ペナン州で環境課題の解決に取り組むNPO団体Penang Green Council(PGC)と共同で、ペナン州の小中学校を対象にペットボトルリサイクルコンテスト「Toray &+ Recycling Competition 2023 Penang」を開催している。
このコンテストは2023年3月21日から11月末までの期間に各学校のペットボトル回収量を競うもので、本活動に賛同した約100校が参加。同活動の一環として、地元小学校から要請を受け、8月9日と15日にPenfibre社(PFR社)繊維部門営業部の嘉田部長がPGCの担当者と共に、ペットボトルからどのようにして衣服になるのかなど、ペットボトルリサイクルへの理解を深めるための出張授業を行った。
生徒たちは、初めて見る回収されたペットボトルから作られたチップや原綿、生地サンプルに興味津々な様子で、ペットボトル回収の大切さを理解するとともに、コンテスト参加へのモチベーションアップにもなった。
この取り組みによってペナン州の小中学生の環境意識向上、サーキュラーエコノミーの実現につながることが期待される。
東レ製品を生かした地域コミュニティ支援の取り組み
旧品番の「LIVMOA」をハーレムの教会改修工事に寄贈
米国ニューヨークを拠点とするTAM社──Toray Industries (America)社は、販売方針の変更で不要となった旧品番の使い切り防護服「LIVMOA」のサンプルを地域コミュニティ支援に有効活用することを検討し、ニューヨーク地域の低所得者向けに住居整備支援を行う非営利団体のHabitat for Humanityに寄付したことを10月6日のHPで発表した。 東レの先端技術を活用した快適な使い切り防護服でその名称には「Lively Mode of Action(防護服を着用することで生き生きと活動できるように!)」という思いを込められている。
Habitat for Humanityは、ニューヨーク市や周辺地域の低所得者に衛生的かつ安全で購入可能な住宅を提供することを主な活動目的とする非営利団体で、毎年何千人ものボランティアによって数多くの住宅建設関連のプロジェクトが進められている。
同団体は低所得者が多く居住する地域の住環境の改善にも取り組んでおり、今回TAM社が寄付した「LIVMOA」はハーレム地域の教会の改修支援プロジェクトにおいて汚れ防止服として活用された。
今回の寄付は、東レグループの技術や製品の特長を生かして地域社会に貢献する活動の一環として実現した。
Italian Fashion School Jakartaの学生見学を受け入れ
未来のファッションデザイナーが生地の製造工程や素材の基礎知識などを学びに来場
7月5日、Italian Fashion School (IFS) Jakartaの講師と学生25人がインドネシア東レグループの現地法人 CENTEX社に来場した。IFS Jakartaは、2016年にインドネシアのジャカルタに設立されたファッションデザイン専門学校で、イタリアのグッチ、ヴェルサーチ、ドルチェ&ガッバーナなどの世界的ブランドとの関係でも知られ、ファッションの本場ミラノにある、MKS Milano Fashion Schoolとも提携している。
IFS Jakartaには、ファッションデザイナーを目指す学生約40人が在籍。CENTEX社は、同校から生地の製造工程や各素材の基礎知識などを勉強させてほしいとの要請を受けて、地域貢献活動の一環として初めて同校を受け入れた。生地の製造現場見学では、当社の各工程担当が学生に説明することで、各担当のモチベーションアップにもつながった。
今後は、CENTEX社がIFS Jakartaに生地を提供し、学生にデザイン・縫製してもらうなど、同社の販売促進活動にもつなげていく。