イオングループのプライベートブランドの環境への取り組みに対する説明会が、6月2日イオンモール幕張新都心グランドモール3階 イオンホールにて開催され、2025年までの達成目標やそのための施策が発表された。また、特別ゲストトップとしてバリュベトナム産バナナ農園ベトナム・フォーラ農園のトゥアン氏が挨拶を行った。

ここでは同説明会で登壇したイオントップバリュ㈱ 代表取締役社長 土谷美津子氏、取締役ブランド&コミュニケーション本部 本部長 森真紀氏、取締役 商品開発本部 本部長 高橋幹夫氏の説明の概要を紹介する。

2025年に向けたトップバリュの取り組み目標について
イオントップバリュ(株) 代表取締役社長 土谷美津子氏

トップバリュは、「人と地球とハーモニー」「ひとつの商品を通じて、ひとに、地球に、幸せな未来を届ける」というブランドビジョンの通り、人と環境というところに焦点を当てている。当社のデータから2017年に対して2020年はオーガニック食品に対する興味がより深くなっていることがわかる。年代別のポジティブイメージでは20代は「地球にやさしい」から買うという人が多い。このことは非常に重要であり、イオンアグリ創造というグループ企業では、農園を経営しているが20代、30代という若い世代の就職希望者が大変に増えている。つまり、「地球にいいこと、大地にいいこと」をしたいという若者が増加していることがわかる。

お客さまも同じであり、その行動が変わってきているのが、今の状況となる。トップバリュのブランド体系は3つになる。1つはトップバリュ。そのメインストリームは、「さあ、ワクワクするほうへ!」としておいしさと食の楽しさや驚き、使い心地とかっこよさなどに溢れた新しいものをどんどん作り、世に送り出している。2つめのベストプライスは「今日も明日も、ほしいもの」を掲げ、ナショナルブランド以上の品質と低価格を引き続き訴求していく。その中で本日、焦点を絞って説明していくのが体系の3つめである「グリーンアイ」となり、「もっと安心、もっとやさしく」をコンセプトに自然環境の持続可能性を追求したブランドになる。

そこでは“毎日食べるもの、使うものだから、家族やあの人にも自然や環境にやさしい安全なものを選びたい。そんな商品をもっと手軽に買いたい”といったお客さまの想いに応えていきたい。そのために2025年までにグリーンアイオーガニックは売上600億円を目指す。これは2022年、昨年度の約3倍の数値になる。また、オーガニック市場の30%となる。イオンとしては、トップバリュは代表的な商品であり、環境を目指すところが根本にある。同時に、体や地球へのやさしさをお客さまが望んでいるのでその想いに寄り添っていくためのこの目標を決定した。

そして、2025年までにすべてのトップバリュ商品を環境3アール商品に切り替えていく。3RとはReduce「へらす」Reuse「くり返し使う」Recycle「リサイクル」になる。すべてのトップバリュ商品のパッケージに独自の環境配慮3Rマークを表示し、環境にやさしいものに変えていきたい。

イオントップバリュ(株) 代表取締役社長 土谷美津子 氏

トップバリュの環境への取り組みについて
イオントップバリュ(株)取締役 ブランド&コミュニケーション本部 本部長 森真紀 氏

イオンは、2020年にプラスチック利用方針というものを掲げ、できる限り、プラスチックを減らしていくことを宣言させていただいている。トップバリュの商品においてもこの利用方針を意識し、プラスチックの利用を減らしながら、耐久性や不便を生じさせないような商品はどうすれば開発できるか、を考え対応し、事業活動における資源の無駄遣いや使い捨て型の利用を見直し、使い捨てプラスチック「0」を目指している。そして、必要なプラスチックは化石由来から環境・社会に配慮した素材へ転換している。また、店舗を拠点に使用済みプラスチックの回収・再利用、再生する資源循環モデルを構築し、お客さまとともに持続可能な資源利用にも取り組んでいる。同時にトップバリュの商品開発においてもイオンのプラスチック利用方針に基づき、その努力を継続している。

そういった中で2025年までにすべてのトップバリュ商品を環境配慮型の3R対象商品に切り替えていく。一例を挙げると「へらす」ではキッチンタオル、リサイクルの原料を使ったマイバックやポリ袋については、今後、発売をさらに強化させていく。また環境配慮3Rマークをすべての商品のパッケージにつけ、お客さまへの認知も高めていく。

次に資源循環リサイクルについて3点、お話をさせていただく。

1点目は、ペットボトルの取り組みとなる。たとえば「オーガニック緑茶」は、全国のイオン店舗の店頭で回収させていただいたペットボトルを再利用している商品となる。店舗で商品を買う。飲んだ後、店舗にペットボトルを持参する。店舗でリサイクルボックスを回収し、ペロットに解体し、再度溶かしてペットボトルに作り替えている。それを繰り返す。ペットボトルのリサイクルでは、ボトルの透明度が再現しにくい。そういった問題を確認しながら2025年までに年間1万5千トンのペットボトルを再利用した商品を開発していく。

2点目はペーパーTOペーパーの取り組みとなる。ここではイオン本社で捨てる予定だった古紙や機密文書を回収し、溶かしてトイレットペーパーに作り替える取り組みをスタートした。また、一部の店舗になるが皆様に利用いただくフードコートの紙コップや紙のスプーン、ナプキンなども一括で回収し、再度トイレットペーパーに活用させていただく取り組みも稼働した。このことで2030年までには月間で2000トンの紙資源リサイクルによる商品化を目指す。またトイレットペーパーにおいてもひとロールあたりの巻をきつくした。そのことによって長さは変わらないままロールの量を減らした。今で一番売れていた18ロールのトイレットペーパーが巻の長さを変えず12ロールに減らすことができた。減らすことで25%外袋のプラスチック使用料が減り、小さくなることで積載効率も25%アップした。

3点目はフィルムTOフィルムの取り組みとなる。イオンの物流センターでは荷崩れ防止「ストレッチフィルム」が日本で年間10万トン流通し、使用後は破棄してきた。それを何とか活用したいという想いで商品開発されたのが「荷物を運ぶときに使うきれいなフィルムをもったいないからもう一度度使ったポリ袋」となる。これは2030年までに年間200トンの資源リサイクルによる商品化を目指していく。トップバリュの環境に対する取り組みが大きなカタチでいろいろな効果を生み出している。これからもその努力を続けていきたい。

イオントップバリュ(株) 取締役 ブランド&コミュニケーション本部 本部長 森真紀 氏

グリーンアイブランド強化について
「いつものくらしでやさしい未来へつなげていく」トップバリュの取り組み
イオントップバリュ(株) 取締役 商品開発本部 本部長 高橋幹夫 氏

グリーンアイオーガニックシリーズは、2025年までに売上600億円を目指し、国内オーガニック市場シェア30%を目標にする。国内市場に関しては2016年から約15%の伸びに対し、海外では33%の伸びを示している。ではどんなオーガニックが売れているのか。野菜・果実・飲料といった身近に手にとっていただけるカテゴリーにおいて非常に活用いただいている。世界のオーガニック市場規模は2027年までおよそ250%の伸びと2.5倍の伸びが予測されている。その意味で我々はそれ以上に、「もっと身近にもっと安心して」ご利用いただける商品をたくさんお届けしたいという想いでこの目標を設定した。

グリーンアイは今年で30年を迎えるが、農産物、環境、グリーンコンシューマーをイメージしたグリーンと愛情と自分自身の「I」とモノを見つめる視点のEYEを合わせた造語ということでこのような想いをつめたブランドである。

ともに歩んできた生産者さま、製造委託先さまのおかげでやっと30年を迎えられたという想いを抱いている。その30年を振り返れば、1997年には「グリーンアイブランド」で畜産のタスマニアビーフと純輝鶏の販売を皮切りに2008年、国内初の「カーボンフットプリントの表示」をパッケージ展開させていただいた。2014年には、アジアの小売り初SC認証を取得した商品と合わせてオーガニックシリーズ有機加工食品58品目を発売し、大きく加速した。そういった中で30周年を迎えることができた。

グリーンアイ誕生30周年の取り組みでは、まずオーガニック商品の拡大を図る。そこには国内初の挑戦となるオーガニックシュレッドチーズや、SC認証のわかめなどがある。また品揃えカテゴリーも同じく拡大していく。

2番目として生産者委託先とパートナーシップを強化していく。グリーンアイの進化に向けて協業をさらに加速していきたい。また、有機JAS認証取得前の生産者様に対しても、われわれの想いは変わらない。いっしょになって取り組み、責任をもって販売をさせていただいている。

3つめは、我々の取り組みをお客様にもっと知っていただくための仕組みづくりとなる。そのためにトップバリュのHPに生産者さまの情報をしっかり掲載し、コミュニケーションを強化してまいりたい。グリーンアイブランドには物語がある。生産者様、委託先様と私たちの想いが一つになってはじめて商品が成り立つことが非常に多い。

お客さまに手にとっていただきたい商品として洗わずそのまま使えるミックスシリーズのカット野菜やグリーンアイ初の国産オーガニック冷凍野菜も限定店舗になるが発売している。こういったカット野菜や冷凍食品には、オーガニックを身近に感じていただけるようにしたいという想いがある。朝食シーンを全部オーガニックでという想いで作らせていただいた商品がある。その一つが9月に発売予定の「矢口牧場限定オーガニック牛乳」となる。これは牛乳特有のすっきりした風味、すっきりした味に仕上がっている。

AOA(イオンオーガニックアライアンス会員サミット)サミットを先日実施した。次の30年に向けて想いを一つにする生産者様、委託先様と強いパートナーシップを組み、未来にむけて商品をつくっていくという想いで開催した。これは「オーガニックの強固で効率的なサプライチェーンの構築」を推進するためにオーガニック事業者さまとイオングループのパートナーシップとして2019年に発足したものだ。次の30年に向けてさらにそのパートナーシップを強化していきたい。またグリーンアイオーガニックのフェアトレードの取り組みも各生産地との連携や情報公開などその取り組みを強化していきたい。そういった中でオーガニックフェアトレードコーヒーは、バラエティ豊かな産地のコーヒーを販売することで幅広い嗜好に応えていきたい。また、オーガニック栽培に挑戦する生産者を応援し、生産者とともに有機JAS認証取得に向けた取り組みを進めていきたい。

イオントップバリュ(株) 取締役 商品開発本部 本部長 高橋幹夫 氏