2023年3月15~17日に東京ビッグサイト(江東区)で「第19回スマートエネルギーWeek春」が開催。毎年恒例の展示会だがコロナ禍でここ数年は休止を余儀なくされたものの、久しぶりの完全開催とあって、多くの来場者が詰めかけた。例年どおりソーラーや風力など再生可能エネルギーを中心にエネルギー関連の最新アイテムが並んだが、今回はその中でも注目の「水素」に絞って、気になるイチオシ技術を紹介する。
●本田技研工業「ホンダ燃料電池モジュール プロトタイプ」
本田技研工業は2020年代半ばに外販予定のFCモジュールのプロトタイプを初公開。同社と米GMが共同開発の次世代FCが叩き台で、寸法は幅732mm×奥行1070mm×高さ620mm、重量206kg、出力は80kw、発電能力は275~600V。同車のFCV「クラリティ フューエル セル」2019年モデルに搭載のFCシステムよりもコストで3分の1に圧縮しながらも耐久性は2倍にアップ。
●帝人
「モバイル型FCユニット/圧力容器ユニット
帝人はグループ会社・帝人エンジニアリングが開発した水素ガス用の大容量・高圧容器(ボンベ)「ULTRESSA」(ウルトレッサ)をコア・デバイスにした、小型軽量で可搬しやすいFCユニットを開発し参考出展。写真向かって右がFCユニットでインテリジェント・エナジー社製「IE-LIFT」FC(最大出力1200W)、空重量60kgで、左は圧力容器ユニットで、ウルトラレッサ(容量10リットルクラス)を3本搭載可能。夜間工事や屋外イベントでの使用を想定する。
●トヨタ自動車「水素貯蔵モジュール」
トヨタ自動車は水素貯槽モジュールのコンセプトモデルを初展示。FCEV「MIRAI」に搭載の自動車用樹脂製高圧水素タンク(70MPa)数本と水素センサー、自動遮断弁などの安全装置を1つのモジュールとしてパッキング。大型トラックや建設機械、鉄道、船舶、港湾などでの荷役機械、定置式発電機での使用も想定、モジュールの共通化により高効率輸送や価格低減で市場拡大を図る。現在用途に応じて大小4タイプを想定、写真は2番目に小さい型「TC8」で高さ約1.7m、質量約390kg、タンク(G2-2)を4本(計208リットル。水素搭載量8.4kg)収納。