株式会社エアウィーヴは、寝具業界最大の課題でもある廃棄処理の問題を解決するため、 新たな画期的新素材の寝具を開発。代表取締役会長兼社長 高岡本州がそれまでの環境問題への取り組みを振り返りながら、新素材の寝具についてプレゼンテーションを3月8日行った。新素材を使用した寝具はJR九州が運行するクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」に採用されており、今後注目を集めそうだ。
リサイクル率が2%の寝具業界でのチャレンジ
プレゼンテーションの冒頭、高岡氏はごみ問題、環境問題が深刻化する中、リサイクル率が2%といわれている寝具の業界に言及。その中でエアウィーヴが①プロダクトのリサイクル②寝具の水平リサイクル③リサイクルプログラムの3つの取り組みを実施してきたことを強調した。使用後の寝具を洗浄・消毒し、施設などへ寄付・寄贈するプロダクトリサイクルは東京2020大会でも展開。大会レガシーとして新たな場所で全て再利用されていることを紹介した。さらに寝具の水平リサイクルはJALのビジネスクラスのマットレスパッドを回収し、寝具から寝具へのリサイクルが実施、リサイクルプログラムは会員登録した顧客に使用後の寝具を回収し、リサイクルしていく取り組みであることを伝えた。その中で高岡氏は、すべてのリサイクルの活動は事業者、利用者、行政という3つの要件が必要であると述べた。
環境にやさしい寝具で豊かな暮らしに貢献
そういった同社の取り組みに加えて、今回、新たなチャレンジとなるのが生分解性素材採用ベッドマットレスの開発・製造となる。生分解とは、単にプラスチックがバラバラになることではなく、微生物の働きにより、分子レベルまで分解し、最終的には二酸化炭素と水となって自然界へと循環していく性質を意味する。高岡氏は今回、同社はその素材を寝具に採用することに成功し、現在JR九州のクロストレインである「ななつ星in 九州」に採用開始となったことを紹介。イノベーションが起こりにくく、SDGsが進みにくい寝具業界において、果たせた役割の重要性を訴えた。
同社の企業理念は「The Quality Sleep」にあり、そこには商品の提供に留まらず、眠りの世界に新しい価値を創造し、最高の眠りを提供することを通じて、世界中の人々の豊かな生活を実現することへの想いが込められている。高岡氏は、この理念の意味を伝えながら、環境問題に取り組むことも、商品の提供のその先にある豊かな暮らしに貢献していくことに繋がることを力説した。