2023年2月14日東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)と東急不動産ホールディングス株式会社(東急不動産HD)は、環境共生・コミュニティ自助型のサステナブルな街づくりを通じて、社会課題の解決と両社グループの成長を図るため包括的業務提携契約を締結した。

双方が擁する街づくりに関する資産やノウハウ、人材といった資産を活用して高いシナジー効果を発揮するのがねらい。「住宅事業」「再エネ」を軸足に今後2033年2月までの10年間にわたって事業の共同展開を推進し、また海外事業展開も視野に置いている。

両社とも「持続可能」をキーワードとした中長期ビジョンを打ち出して居る。JR東日本は「全ての人の心豊かな生活を実現」を掲げて、持続的成長を目指したESG経営を実現する「変革2027」を、また東急不動産HDは「誰もが自分らしく、いきいきと輝ける未来の実現」を看板に、再エネ事業をさらに発展させ「環境経営」を盤石にするための「GROUP VISION 2030」をそれぞれ推進中で、両社ともに方向性が一緒であることから今回の提携に踏み切った。

多様な生活シーンを融合させた多機能複合型の街づくりがキモで、両社共同プロジェクトの〝第1段として選ばれたのは、千葉県船橋市のJR船橋駅北口から徒歩10分以内にある、JR東日本社宅を中心とした大規模再開発(仮称)「船橋市場町プロジェクト」で敷地面積は約4万5000㎡という広大な敷地に住宅、商業施設、再エネ発電施設、コミュニティ施設などを配置、2026年以降の完成を予定している。

今回の提携は、太陽光発電など再エネ事業の加速にも耳目が集まる。東急不動産HDが手掛ける「再エネ事業」に大きな注目が集まっている。2014年に同事業への本格参入を果たした同社は現在、メガソーラー発電を中心に総定格容量約1398MWと、原子力発電1基分を優に超える再エネ発電施設を擁し、高い運営ノウハウにも定評がある。

一方JR東日本グループは数多くの土地・不動産資産を所有していることから、これらをマッチングさせて、ソーラー事業のさらなる推進を図っていく模様。具体的には両者が提携した電源立地エリアの地域共生メニュー展開などによって、まずは概ね5年以内に5カ所程度の再エネ事業開発を推進し、その後も開発を加速させていく。

また多様な資金調達による事業開発のスピード・アップも図るため、東急不動産HDが所有する宮城県を中心とした既存の再エネ施設2~3カ所を「シードアセット」として、2023年度に100億円規模のファンドを組成する計画で、今後10年間に1000億円レベルの資金調達を実現させる模様。

会見に臨んだJR東日本代表取締役社長の深澤裕二氏は、両社の〝二人三脚〟事業の〝嚆矢〟となる船橋での再開発に関して、「再エネと蓄電池を活用した電力供給でゼロカーボン化を目指すとともに、お住まいの方や訪れた方への災害時の電力確保、蓄電池を活かしたエネルギー・マネジメント事業による地域貢献も目指します」と再エネ重視の街づくりを強調。

一方、不動産HD代表取締役社長の西川弘典氏は、「今後我々デベロッパーは都市の国際競争力を高めていくことが使命となり、日本の国力を維持するため、都市の成長を支えるためには地方創生・共生に絶対に取り組んでいかなければなりません。その中で我が社の特徴は再エネによるGXと、リゾート施設による観光とを通じての地方創生・共生への貢献です」と意気込みを新たにする。今回の提携で両社は概ね5年程度で1000億円規模の事業収益を目指すという。