アサヒ飲料株式会社は、持続可能な容器包装の実現に向けた目標「容器包装2030」において、2030年までに、プラスチック製容器包装(PETボトル、ラベル、キャップ、プラスチックボトル)の全重量の60%にリサイクルPET、植物由来の環境配慮素材などを使用する目標を掲げている。今回、目標達成に向け、一部の大型ペットボトル(「三ツ矢」「カルピス」「アサヒ 十六茶」「アサヒ おいしい水」「バヤリース」)に、ケミカルリサイクルにより再生された樹脂を100%使用し、2022年4月より生産開始を予定している。
 この取り組みで、大型ペットボトルの年間生産量の約40%に再生PET樹脂を使用することになり、ボトルに使用するCO2排出量は従来比で約47%削減され、年間で約18,400tのCO2が削減される見込みとなる。今回、使用する再生PET樹脂は、ボトルtoボトルの再生事業者である日本環境設計株式会社のグループ会社ペットリファインテクノロジー株式会社のケミカルリサイクルPET樹脂を使用する。

出所:PETボトルリサイクル推進協議会の資料をもとにアサヒ飲料にて一部加工

 ケミカルリサイクルの手法は、日本環境設計が特許を保有する独自技術「BRING Technology™」を用い、PET製造の中間体となるBHET(ビス-2-ヒドロキシエチルテレフタレート)を選択的に抽出する方法により高純度なモノマーの回収を実現し、ボトルグレードの高い品質基準を満たすことができる。化学的なプロセスで不純物を取り除くことが可能なため、使い終わったPETボトルを何度も資源として再生することができ、石油の使用量削減、温室効果ガスの排出抑制に貢献することが可能となる。
 同社は、持続可能な社会・環境の実現を目指し、「新たな資源を極力使わない」「温室効果ガスを極力排出しない」「使ったものを有効活用する」の考えのもと、環境に対する負荷低減に取り組んでいる。その取り組みの一つとして、持続可能な容器包装の実現に向けてリサイクル素材を2019年7月より、「カルピスウォーター」など乳性飲料の一部で採用し、「三ツ矢」ブランドや「ウィルキンソン」ブランドなどボトルの耐圧性が要求される炭酸飲料の一部商品まで拡大した。
 今回、主要ブランドの大型ペットボトル(「三ツ矢」「カルピス」「アサヒ 十六茶」「アサヒ おいしい水」「バヤリース」)に、ケミカルリサイクルによる再生PET樹脂を100%使用し、2022年より生産を開始することで、2030年までの目標達成を目指していく。


 アサヒ飲料は、社会の新たな価値を創造し、我々の「つなげる力」で発展させ、“いちばん信頼される企業となる”というビジョン、そして「100年のワクワクと笑顔を。」という社会との約束を掲げている。そのビジョンを実現するために、「健康」「環境」「地域共創」という3つのマテリアリティを設定し、CSV経営における重点課題領域と位置づけ取り組んでいます。私たちの商品やサービスを通じて、人々が笑顔になる社会をつくることがアサヒ飲料の目指す姿であり、3つのマテリアリティに関する取り組みが社会への貢献にもつながると考えている。
 今回の取り組みもその一環であり、今後も、世界の持続可能な社会・環境への実現に貢献するため、CO2排出量削減等の気候変動対策、プラスチック資源の循環利用、水資源の保全から次代を担う子どもたちへの環境教育に至るまで、さまざまな環境に対する負荷低減の取り組みを進めていく。