プライベートブランドであるトップバリュのブランドビジョンである「人と地球とハーモニー」に基づき、人、家族、そして地球環境のためにできることを視野に入れ、様々な新商品の開発や新たな取り組みを進めているイオン。8月29日にはブランドビジョンの実現に向けて“人”を守るための防災や復興支援商品、“地球”の環境を守るためのオーガニック商品などをはじめとする新商品の発表会が行われた。

生活者の声を受け止めて商品開発やプロジェクトを始動

挨拶に立ったイオン取締役執行役副社長商品担当 イオントップバリュ代表取締役社長 土谷 美津子氏は、2024年度の取り組みとして“トップトップバリュ50周年への感謝を掲げ、お客さまがもっと「ワクワクする」商品の創造”が方針であることを強調。トップバリュだからできる価値提供とベストプライスのさらなる進化を目指す価格戦略に引き続き力を注いでいくと述べ、今回の新商品のテーマが防災とサステナブルにあると語った。

防災では、 “毎日の食事が非常食に変わる!トップバリュで「ローリングストック」”と、“能登半島地震から約8か月「がんばろう!能登」” の取り組みを紹介。「日常的に食べて買い足す」を繰り返して、日常食を非常食として蓄える、賞味期限を考えて古いものから消費し、消費した分を買い足すことで、常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つローリングストックの要望が春から線状降水帯の発生が増えたために多くなったことを報告した。さらに8月8日南海トラフ地震臨時情報が発令された当日から翌日にかけて天然水の需要が前週比約4倍に高まり、カップ麺やレトルト米飯、カレーなどストックできる食料品も相次ぎ品薄になったと振り返った。

そういった状況を受けてトップバリュでは、お手軽なローリングストックとなる新商品を開発したことを説明。食材に挟むだけ、水で戻すだけで使える野菜シートや国産乾燥野菜、常温保存可能な絹とうふに加え、特定原材料8品目を使用していない食物アレルギーに対応した対応食品を紹介し、それらの一つひとつが東日本大震災などで被災した人たちの具体的な声を反映させていると話した。

また能登半島地震から約8か月が経過した今、支援は避難している人たちの暮らしに加えて産業の復興が重要であると述べ、石川県食品協会加盟団体への義援金支援につながる「能登復興支援シール」の取り組みを伝えた。 最後に10月1日から発売になるトップバリュサステナブルコーヒーについて解説した。今回発売するこのコーヒーは、コーヒー生産量世界第2位を誇るベトナムのソンラ省で2021年に始動しイオンをはじめ、生産農家、サプライヤー、現地教育機関や国際NGOを中心とするプロジェクトチームの活動を通じて生産されたコーヒー豆を使用。現地の生活や教育環境といった社会的課題での解決支援も行っていることを紹介した。その中で土谷氏は、特に現地女性の識字率の低さに言及。このプロジェクトが稼働し、コーヒー豆を安定的に販売することで子どもたちが中学や高校に行け、その中から大学進学者も誕生したエピソードを伝え、サステナブルコーヒーの名の通り、コーヒーを育てる人も、飲む人も笑顔が生まれていると話を結んだ。

イオン取締役執行役副社長商品担当

イオントップバリュ代表取締役社長 土谷 美津子 氏

“人へのやさしさ” “地球へのやさしさ”を軸に数々の新商品を開発

続いて登壇したイオントップバリュ 取締役 商品開発本部長 髙橋 幹夫氏は、今回、新発売されるトップバリュの新商品が“人へのやさしさ”と “地球へのやさしさ”を軸にして開発されたことを強調。まず“人へのやさしさ”としてイオンが取り組む能登半島地震の復興支援に言及した。そこでは売り上げの一部が大きな被害を受けた石川県内の食品製造業や食品流通業への義援金支援につながる「がんばろう!能登」シールを説明。貼付した3品目が新たに発売されることを伝えた。

さらにローリングストック関連の商品について解説。新しく開発した商品が十分ローリングストックに入るものもあり、非常時のごはんや間食、水分・栄養補給に役立つ商品やペットフード、アレルギー対応食品を挙げながら、その特徴が豊富なバリエーションと全国で購入可能であること。お手ごろな価格と食べなれた美味しさ、アレルギー表示の明確さにあると話した。

次に“地球へのやさしさ”では、本来ならごみとして処分される魚の中骨や、通常は食べない部分や規格外品を活用した「もったいないをおいしく」の商品の魅力を語った。そして、日本初の陸上養殖オーガニック海藻を用いた「オーガニックあおさのり あかねそう」、気候変動に強いサステナブルな原料を用いた「オーガニックアガベシロップ」が新発売となるグリーンアイ商品を紹介した。  

また、外容器はキレイなままリサイクルPETボトルとして回収できることで使い捨てプラスチックの削減につながる「スポッとエコボトル」がプライベートブランド初となると述べた。さらに10代から30代前半をターゲットとしたトップバリュトキメクおやつ部シリーズが好評であり、第2弾が新発売となることやベストプライス商品についても触れた。

イオントップバリュ 取締役 商品開発本部長 髙橋 幹夫 氏