自然・生態系・社会と調和のとれた持続可能な農産物の調達に対し、様々なチャレンジを続けてきたイオンが今回、新たな2つの取り組みを開始した。

農場での労働者福祉に関する「GLOBALG.A.P.社会実践のリスク評価」で満点を獲得。
国内初となる「新GGNラベル」付き農産品の展開を開始

イオンは、4月26日より順次、責任ある農業を可視化するクロスカテゴリの認証である「新GGNラベル」付きの商品の展開を開始した。

イオンは、2018年にアジアで初めて、GOOD(適正な)、AGRICULTURAL(農業の)、PRACTICES(実践)を証明する国際基準の仕組み「GLOBALG.A.P.(以下:グローバルギャップ)認証」を取得した農場でつくられた農産物であることを示す「GLOBALG.A.P.Number ラベル」(以下、GGNラベル)付きの商品の展開をスタートしている。これまでのGGNラベルは、食品安全、労働環境、環境保全に配慮した持続的な生産活動を実践するグローバルギャップ認証を取得していることが要件だったが、2021年に立ち上がった新しいGGNラベルは、グローバルギャップ認証を取得した農場で作られていることに加えて、労働者福祉(以下:GRASP=GLOBALG.A.P. Risk Assessment on Social Practice)と、サプライチェーンの透明性(以下:CoC=Chain of Custody)についても、責任ある条件下で生産する農場であると第三者機関によって証明されていることが要件として求められている。

今回、イオン直営農場の運営および農産物の生産委託に取り組むイオンアグリ創造株式会社が、2022年度の審査においてGRASPでフルスコア(満点)を獲得し、イオンが日本国内で初めて新GGNラベルを付けた商品の展開を開始することになった。これまでのGGNラベル同様、認証番号を入力することで、世界のどこで、誰がつくったものかを知ることができる。

【新GGNラベル付き商品供給の概要※】
展開開始 :2023年4月26日(水)より順次
販売店舗 :関東圏の「イオン」「イオンスタイル」「マックスバリュ」など約200店舗
※近畿、中四国、九州エリアのイオングループ店舗でも順次拡大予定。
展開品目 :トマト、ほうれんそう、こまつな、きゅうり
※季節による変動がある。
※店舗によって取り扱い品目や販売価格が異なります。また、取り扱いがない場合もある。

イオン島根安来農場とイオン三重いなべ農場で
CO2排出量実質ゼロの農業用ハウスの取り組みをスタート

イオン直営農場の運営および農産物の生産委託に取り組むイオンアグリ創造株式会社は、同社が運営するイオン島根安来農場とイオン三重いなべ農場のイチゴの農業用ハウス(以下:ハウス)で、化石燃料由来の二酸化炭素(以下:CO)の排出量を実質ゼロ化する取り組みを開始。2023年9月より新設ハウスの基礎工事しに着手し、2024年9月の稼働を目指す。新設ハウスで先行してCO排出量の実質ゼロ化に取り組み、将来的には既存ハウスにも取り組みを拡大する予定だ。

新設ハウスでは、耐候性ハウスに循環扇やWEBによる環境モニタリングなどの工夫を施し、ハウス内の採光性と温度ムラを改善するほか、寒冷地でも効率的に熱を集めて生産活動に利用できる施設園芸用ヒートポンプを暖房機に使用する。

また、日射比例式給液装置を用いて灌水施肥の最適化を図ることで、より低コストで生産性の高い栽培体系を構築し、省エネと採算性の両立を目指す。なお、空気熱源のヒートポンプのみを用いた暖房は、外気温が低すぎるとエネルギーの利用効率が悪くなるため、補助的に重油を用いた暖房機を使用するが、暖房機から発生するCOを排煙から回収して貯留する「炭酸ガス貯留システム」を設置し、貯留したCOをイチゴの株元に局所施用して光合成の促進に役立てる。

これら技術の組み合わせを最適化することで、従来の60%のCOが削減できる計算となる。残りの40%削減のため、ヒートポンプの熱交換効率の向上や、太陽光発電などによるエネルギーの自給自足の取り組みを平行して進める。今回、イオン島根安来農場に約65アール、イオン三重いなべ農場に約45アール、合わせて約1.1ヘクタールのハウスを新設。将来的には、両農場で年間 約1000トン※のイチゴを生産する見込みで、東海、近畿、中四国エリアのイオンのグループ店舗へ供給する予定となっている。

※既存ハウス(イオン島根安来農場 約30アール、イオン三重いなべ農場 約15アール)での生産量を含む。

自然資源の持続可能性と事業活動の継続的発展の両立を目指し、農業において独自の取り組みを進めるイオン。新たな改革が求められるこの分野において今後ますます期待が高まる。

【イオンアグリ創造株式会社】
事業内容 :イオン直営農場の運営および農産物の生産委託
本社:千葉県千葉市美浜区中瀬1-5-1 
社長:福永 庸明

https://aeonagricreate.jp/