シリーズ:SGDsに取り組む大学/千葉商科大学公開講座「SDGs達成へ 大学の役割」第8回 「ゼロカーボン社会を担う人材の育成」を開催

 タケエイグループの株式会社信州タケエイでは太陽光パネルのリサイクル事業を開始する。2009年に余剰電力買取制度が開始されて以降、太陽光発電の急速な拡大に伴い太陽光パネルの設置が増加している。しかし太陽光パネルの製品寿命は約25~30年とされているために、2030年頃からは交換や廃棄されるパネルの排出量が大幅に増加すると見込まれ、また近年増加する自然災害による廃パネルの適正な処理も課題と認識されている。
 太陽光パネルの適正処理・リサイクルには高度な技術と専用の設備が必要となる。しかしながら、廃太陽光パネルから有用な金属やガラス等を回収し、今後見込まれる排出量にも対応可能な処理設備はまだ整っていないのが現状となる。
 こういった課題の解決を目指し、同社グループでは太陽光パネルリサイクル事業を新たに開始し、処理方法の研究・開発等に取り組み、今回、信州タケエイは長野県より廃太陽光パネルを処理する許可を取得した。
 廃太陽光パネルの処理は、まず端子やケーブル等を解体し、「油圧式フレーム外し機」にてアルミ枠を取り外す。フレームを取り外したパネルは「手動式カバーガラス剥離装置」に投入してカバーガラスを剥離し、回収する。また、リサイクルするだけでなく、検品して状態の良いものはリユースも行う予定だ。
 同事業は、同社グループの企業理念「資源循環型社会への貢献を目指す」に資する施策であり、適切な分別処理を行うことで資源の有効活用を図り、持続可能な社会へのさらなる貢献につながる。
 同事業を開始する信州タケエイは1972年の設立以来、産業廃棄物・一般廃棄物処理、収集・運搬、解体事業、安定型最終処分場の運営といった多岐にわたる事業を進め、資源循環型社会に貢献すべく、廃棄物の一貫処理体制を構築してきた。また、諏訪湖というかけがえのない地域の財産を守るための 環境美化プログラムや環境教育などにも、社員一丸となって取り組んでいる。
 この事業は1月より開始。来期以降、その波及効果も含めて、長期的な連結業績の向上に貢献していくものと考えている。なお、太陽光パネルリサイクル事業については、株式会社タケエイ相馬事業所(福島県相馬市)においても準備を進めている。

油圧式フレーム外し機(未来創造(株)製)

手動式カバーガラス剥離装置(未来創造(株)製)