京丹波町、積水ハウス、クラダシが「京丹波町における食品ロス削減及び特産品のPRに向けた連携協定」を締結

 京都府京丹波町(以下、京丹波町)と住宅大手の積水ハウス株式会社(以下、積水ハウス)、社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」を運営する株式会社クラダシ(以下クラダシ)は10月8日、「京丹波町における食品ロス削減及び特産品のPRに向けた連携協定」を締結した。ここには京丹波町町長 太田昇氏、積水ハウス開発事業部 トリップベース事業推進室長 栗崎修一氏、クラダシ代表取締役社長 関藤竜也氏が出席し、調印した。
 これによって3者はそれぞれが持つ経営資源を最大限に活かし、食品ロス削減の意識の向上に加え、担い手不足による未収穫の特産品の解消及び食品ロス削減に向けた商品行動への変容促進、さらには京丹波町の特産品PRと活性化を進めていくことになる。

調印式の様子調印式の様子

地方創生と食品ロスに取り組む3者が連携を締結

 京丹波町は、わが国で2019年10月、「食品ロスの削減の推進に関する法律」(略称 食品ロス削減推進法)の施行される中、食品ロスの削減を推進。
 また雇用機会の減少や未利用の地域資源、少子高齢化などの課題を解決することを目的に、京丹波町創生戦略として以下の5つのテーマに基づく取り組みを定めてきた。

  • ①地域経済支援によるしごとづくり
  • ②京丹波町へのひとの流れづくり
  • ③地域総がかりで育む子育てからひとづくり
  • ④「災害の少ないまち」での防災まちづくり
  • ⑤時代に合った地域づくりと暮らしの安心づくり

 積水ハウスグループは、国連でSDGsが採択される10年前の2005年に「サステナブル・ビジョン」を宣言。「4つの価値」と「13の指針」を定め、その当時より先駆的に「持続可能性」に正面から向き合い、その取り組みを継続してきた。
 また、積水ハウスは、マリオット・インターナショナルと共に「Trip Base 道の駅プロジェクト」を展開し、地方創生・地域経済の活性化の一助となることを目指している。
 クラダシは、食品の賞味期限の切迫や季節商品、パッケージの汚れやキズ、自然災害による被害などの要因で、消費可能でありながら通常の流通ルートでの販売が困難な商品を買い取り、社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」で販売することで食品ロスの削減に取り組んできた。
 これらの3者の連携協定の調印後、最初に挨拶を行った京都丹波町の太田昇氏は、積水ハウスがマリオット・インターナショナルと共に京丹波地域に「フェアフィールド・バイ・マリオット・京都京丹波」を開業し、同地域の観光の活性化に尽力していることを紹介した。またクラダシがクラダシ基金を活用し、フードロスや地方創生に興味のある大学生を日本全国の人手不足で悩む地域・農家に派遣する「クラダシチャレンジ」を実施。ここ京丹波においても「フェアフィールド・バイ・マリオット・京都京丹波」を拠点に京丹波町新田農園で未収穫残となっている黒枝豆の収穫支援を行うことなど2者の業種を越えた取り組みとこの協定による今後に期待を寄せた。
 続いて挨拶に立った積水ハウス 栗崎氏は、同社の「Trip Base 道の駅プロジェクト」を説明。このプロジェクトが「未知なるニッポンをクエストしよう」をコンセプトに、道の駅と隣接する地にホテル拠点を整備していく事業であり、自治体・地域をはじめ、様々なパートナー企業との事業連携を進めていることを伝えた。またクラダシとは2021年6月よりパートナー企業として連携を開始。観光を基盤に経済の活性化を目指し、地域を元気にしながら、同社のESG経営を推進していきたいと話した。
 最後に挨拶を行ったクラダシの関藤氏は同社の独自の仕組みである社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」を説明。全く新しい1.5次流通市場を形成し、価値を生み出した商品と消費者をマッチングすることでフードロスを削減し、フードロスの食品の焼却処分を減らすことで環境保全にも貢献していることを伝えた。そしてそれらの取り組みが評価され、日本サービス大賞や食品ロス削減推進大賞を受賞していることを紹介。その受賞理由は、我が国の大きな課題解決に寄与できたことによると話した。

3者が持つリソースを最大限に活かした取り組みを推進

 今後3者は取り組み内容それぞれが抱える課題の解決を目的に、それぞれが持つリソースを最大限に活かした以下の取り組みを実施していく。

①社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」の実施

 社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」は、フードロスや地方創生に興味のある学生を日本全国の人手不足で悩む地域・農家に派遣し、収穫支援や現地での交流を実施する活動。参加学生の旅費や滞在費、食費等をすべて、クラダシが自ら社会貢献活動を行うために設立したクラダシ基金から拠出している。
 今回は、未収穫残となっている作物の収穫支援によるフードロスの削減や関係人口の増加、地域の魅力PRなどを目的に、京丹波町の特産品である黒枝豆を収穫していく。


日程:2021年10月19日~10月24日
場所:京都府京丹波町
収穫予定作物:黒枝豆
宿泊場所:フェアフィールド・バイ・マリオット・京都京丹波


②クラダシチャレンジ収穫物の販売

 クラダシチャレンジにて学生が収穫した京丹波町の特産品黒枝豆を、社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」および「道の駅京丹波 味夢の里」にて販売し、3者で京丹波町の特産品のPR や販路の拡大、地域活性化を推進。

  • フェアフィールド・バイ・マリオット・京都京丹波フェアフィールド・バイ・マリオット・京都京丹波

  • 特産品の黒枝豆特産品の黒枝豆

■本提携による主なSDGs連携

1. 貧困をなくそう
 あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

3. すべての人に健康と福祉を
 あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

11. 住み続けられるまちづくりを
 都市と人間の居住地を包括的、安全、強靭かつ持続可能にする

12. つくる責任 つかう責任
 持続可能な消費と生産のパターンを確保する