2021.10.07
東レ株式会社(以下「東レ」)は、サウジアラビア王国のラービグ3海水淡水化プラント向けに、逆浸透(RO)膜を受注した。ラービグ3海水淡水化プラントは、60万m3/日の造水量を誇り、RO膜法としてはサウジアラビア王国で最大であり、世界でも上位に入る大規模プラントとなる。
製品ならびに技術サービスの提供は、東レグループ現地子会社であるToray Membrane Middle East LLC(所在地ダンマン、略称「TMME」)が担う。東レは、TMMEを基盤とした現地サービス強化を実現すべく、現地生産や始運転支援に加え、必要に応じて返送点検サービスも提供することで、日本のエネルギー安定供給を支える世界の水不足解決に貢献していく。
RO膜受注の背景
アラビア湾岸諸国では、人口増加を背景とした旺盛なインフラ投資が行われ、特に多くの飲料水確保のための海水淡水化プラントの建設計画が進行している。近年は、環境意識やコスト削減意識の高まりに伴い、従来の蒸発法よりもエネルギー消費量の少ない逆浸透を利用するRO海水淡水化プラントの需要が拡大している。
今回の受注は、東レの中東での10年以上にわたる堅実な実績や、安定運転に必要な技術支援が高く評価され実現したことになる。
今後の展望
東レは、長年にわたり、RO膜の販売、生産、技術サポートを通じて、世界規模での水問題の解決を支援してきた。東レのRO膜は海水淡水化をはじめ、下水浄化、工業用途など幅広い用途に展開している。これまでの累積出荷量は生産水量ベースで9,140万m3/日を超え、生活用水換算で6.4億人相当(世界人口の約8%)の需要をまかなえる量に相当するまでに拡大した。
東レは、2050年に目指す世界を示した「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」や、持続的かつ健全な成長の実現に向けた長期経営ビジョン“TORAY VISION 2030"の中で、安全な水の提供を東レグループが取り組むべき課題として掲げている。今後も、RO膜をはじめとした最先端の膜技術を提供し続けることや、需要地での技術サービスをより一層強化することにより、産業拡大、人口増加により今後ますます水需要が拡大することが見込まれる中東地域をはじめ世界の水問題解決に貢献していく。