「資本主義の終焉を想像するより、世界の終わりを想像するほうがたやすい
(It is easier to imagine an end to the world than an end to capitalism)」
(Mark Fisher)

「資本主義の「中心」は、暖炉に燃料をくべ続け、ガザに爆弾を運び続けている。」
(Andreas Malm)

1.パレスチナを破壊することは、地球を破壊することである

アンドレアス・マルム(Andreas Malm) の『パレスチナを破壊することは、地球を破壊することである(Destruction of Palestine is the destruction of the Earth)』 を、鎌倉図書館から借りてきて読んでいる。刺激的な分析ではあるが、正鵠を射ている点もあり、多くの示唆を得ることができた。

著者のアンドレアス・マルム(Andreas Malm)は、スウェーデンのルンド大学人文地理学部准教授である。かのナオミ・クライン(Naomi Klein)が『This Changes Everything: Capitalism vs. the Climate(これがすべてを変える)』 のなかで、独創的な思索家として評したスウェーデン人研究者であり、ジャーナリスト、活動家でもある。

いままで多岐にわたり膨大な量の気候危機研究の関連論文や論説を読んできたが、このようなパレスチナ問題と気候危機との位相を論じた視点は実に新鮮であった。

この本は、気候変動活動家としても知られるマルムが、現代の危機を歴史的・構造的な視点から分析したもので、いまパレスチナにおけるジェノサイド(genocide;大量虐殺) と世界的な気候破局が構造的に関連していることを論じた挑戦的な試論である。ガザでのジェノサイドと気候変動が、化石燃料(fossil fuel)を基盤とする「化石資本主義(fossil capitalism)」と「入植者植民地主義(settler colonialism)」 という共通の根源で結びついているとの分析は実に示唆に富んでいる 。いま、この本が、世界中で読まれ、各地で大きな議論を呼んでいる。



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