シングルA企業 フォレスト・シングルA企業 水セキュリティ企業がスピーチ

CDPジャパンの年次フラッグシップイベントであるCDPのAリスト企業アワードが開催され、CDPの2022年度における開示状況に関する分析報告、日本政府・自治体によるスピーチ、そして、Aリスト企業の経営層等によるスピーチやパネルディスカッションが行われた。ここではPART1に続き、シングルA企業フォレストとシングルA企業 水セキュリティ企業のトップエグゼクティブによるスピーチの要旨を紹介する。

【シングルA企業 フォレスト】

王子ホールディングス株式会社
代表取締役社長 グループ経営委員
グループCEO 磯野裕之 氏

当社グループの事業の根幹は森林であり、国内外合わせて57万3000ヘクタールの森林を所有している。このうち木材生産を目的とする生産林は75%、残りは環境保全林。2022年5月に当社グループは森林をベースとする存在意義を策定した。森林を健全に育て、管理することは二酸化炭素の吸収固定や生物多様性の保全、水源涵養など森林が持つ様々な公益的機能を高めることにつながる。また再生可能な森林資源を生かした製品をつくり、社会に届けることで化石資源由来のプラスチック等の置き換えに取り組んでいる。私たちは再生可能な森林資源に根差した事業を行っていく。

【シングルA企業 水セキュリティ】

ライオン株式会社
代表取締役社長執行役員 最高経営責任者
掬川正純 氏

当社はサステナブルな地球環境への取り組み推進を最重要課題と位置づけ、持続可能な社会と事業の発展の両立を目指している。2019年に策定した長期環境目標では商品のライフサイクルにおける水使用量の削減への取り組みを進めている。当社商品のライフサイクルの中で最も多くの水を消費するのは、ご家庭で商品を使用するときとなる。商品やサービスを通じてお客様に水を大切にする前向きで楽しいエコの習慣化を提案し、ご家庭での水使用量を削減し、今後もサステナブルな社会の実現に貢献していく。

三菱マテリアル株式会社
執行役社長 小野直樹 氏

当社は「人と社会と地球のために」という企業理念のもと銅を中心とした非鉄金属素材、付加価値の高い機能材料や製品を製造する非鉄金属メーカーである。また高度なリサイクル技術による廃棄物の再資源化を通じ、循環型社会構築への貢献を目指している。主力事業である銅の精錬をはじめ、すべての事業活動にとって水は欠かせない資源の一つです。限りある水資源を有効活用するために環境方針のもと水の循環利用、水使用量の少ない設備の導入や自主管理基準の設定による水質保全などに取り組んでいる。また過去の鉱山開発に抗排水の確実な処理にも努めている。今後も水資源をはじめとした環境保全の取り組みをさらに推進していく。

長瀬産業株式会社
代表取締役社長 朝倉研二 氏

私ども長瀬グループは商社でありながらも製造部門を有し、開発や生産活動を行うことを一つの特徴としている。ここ数年特に取水・排水量の多い工場を中心に水の利用・リサイクル、再利用など水セキュリティに関する改善活動を進めてきた。科学に軸足を置く私どもとしては環境問題への取り組みは最も重要な経営課題であり、また社会に対する責務であると認識している。これからも水セキュリティはもとより、GHGや海洋プラスチックなど様々な課題に積極的に取り組み、その改善に貢献してまいりたい。

日産自動車株式会社株式会社
代表取締役社長 兼 最高経営責任者
内田誠 氏

日産は「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける」というコーポレートパーパスのもと中期環境行動計画「日産グリーンプログラム」を推進し、環境課題の解決に向けた様々な取り組みを行っている。その中で我々は渇水や豪雨など気候変動による水リスクがバリューチェーン全体に大きな影響を及ぼしていることを強く実感している。そのため、水の循環利用の他、多くの水を使う工程を改善し、使用量を削減するなど効率的な水利用を進めている。日産は引き続き、よりクリーンで安全でインクルーシブな世界の実現に向け、ステークホルダーの皆さまと共にサステナビリティの取り組みを推進していく。

TDK株式会社
代表取締役社長 執行役員 斎藤昇 氏

TDKでは創業以来受け継いできた「創造によって文化産業に貢献する」という社是のもとステークホルダーの方々との信頼関係を大切にしている。したがって今回CDPよりこのように高い評価を受けたことは大変に光栄に感じている。弊社が現在力を入れているセンサー技術などは国連目標のSDGsに謳われている水関連課題に対して大きく貢献できると考えている。価値ある ソリューションの創出に取り組みながらすべての人々にとって持続可能で幸福な社会の実現を目指していく。

東レ株式会社
代表取締役社長 日覺昭廣 氏

東レグループは2050年に目指す世界を示した「東レグループサステナビリティビジョン」や長期経営ビジョン「TORAY VISION 2030」において安全な水の提供を東レグループが取り組むべき重要課題として掲げている。水処理事業のR膜は世界99か国に納品され、生産水量ベースで日量1.1億ベースの水の供給に貢献し、7.3億人相当の暮らしを支えている。また生産活動においては2030年の用水使用量を2013年対比現単位で30%削減する取り組みなどを推進し、水資源の保全に努めている。今後も東レグループは人類の明るい未来に向けてグローバルな社会課題の解決に貢献していく。

トヨタ自動車株式会社
Chief Sustainability Officer(CSO)
大塚友美 氏

トヨタは2015年のパリ協定合意に先立ち「トヨタ環境チャレンジ2050」を策定し、水環境を含め、継続的に環境問題に取り組んできた。水の保全についてはトヨタ水環境方針を制定し、地域ごとの状況に応じた水資源の有効活用を推進している。今後も国際社会が目指すSDGsに本気で取り組み、次の世代に美しい地球とたくさんの笑顔を残すために世界中の仲間と心を一つにして意志と情熱を持って行動していく。

Aリスト企業 各社コメントを発表
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